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岡山大学・留学生に米700キロ 国際交流続ける「矢掛町江良地区」から

6月14日の米の小分け作業をした江良地区の人たちと岩淵泰准教授ら

6月14日の米の小分け作業をした江良地区の人たちと岩淵泰准教授ら

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 岡山県矢掛町の「輝け!江良元気会」が6月16日、岡山大学の留学生に米を無償で提供する。

小分けにされた米袋のメッセージ

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 同地区は、2012(平成24)年から岡山大学留学生のホームステイ、田植え、宝探し、餅つき、たこ揚げ、みこしかつぎなど地域の人とまちづくりを通して交流する活動を続けていた。平成30年7月豪雨で、中川小学校(矢掛町本堀)・中川保育園(同)・中川公民館(同)が浸水被害を受け、同月中に留学生が駆け付け泥かきをしたこともある。

 同会長の坪井優さんは「災害時に助けてもらった感謝の気持ちもある留学生に、何かしたいと思い動き出した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、飲食店などの休業でアルバイトをできず困っているだろうと思い、同地区で提供できる米を集めることにした」と話す。

 当初200キロを予定していた米は、約700キロ集まった。農家の家から届いた米が7~8割。家の米をビニール袋に入れて持ってきた幼稚園児もいた。米以外にも小麦、水田のない山ノ上地区からは、ラッキョウやタマネギなどの野菜も届いた。

 6月14日には、中川公民会に集まり、災害時に小学生だった12人の生徒、10人の大人で、米を2キロ袋に詰める作業を行った。米袋には、子どもたちが書いた感謝を伝えるメッセージや絵を貼り付けた。約30キロは昨年、留学生と共に田植えをした米も含まれる。

 江良地区は約150世帯・500人のまち。年間約100人、これまでで1000人以上の留学生が関わってきた。岡山大学の岩淵泰准教授は「同エリアで外国人を見掛けても、誰も驚かない。学生は毎年変わるが、関わりを続ける学生もいる。地域の人たちが長い目でまちづくりをしているので、留学生にも温かい。日本を学びたいと来る留学生には、学べることが多い」と話す。

 岡山大学の留学生は現在約760人。100カ国以上の学生がいる。「新学期が始まって、まだ一度も会えていない留学生も多い。異国の地で心細い人もいるはず。まずは米を食べて、元気になってほしい」とも。

 開催時間は17時30分~18時30分。場所は岡山大学津島キャンパス・一般教育棟A棟1階のワクワクスクエア内プレゼンテーションルーム。学生証の持参とマスクの着用は必須。

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