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岡山の薫製店店主、久米南町地域おこし協力隊に着任 鳥獣被害を薫製で解決

久米南町地域おこし協力隊の篠原英治さん

久米南町地域おこし協力隊の篠原英治さん

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 岡山の薫製店「とののベーコン」(岡山市北区中山下2)店主の篠原英治さんが10月1日、久米南町地域おこし協力隊に着任した。

薫製店「とののベーコン」の薫製商品

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 「地域おこし協力隊」は2009(平成21)年にスタートした総務省の制度で、他エリアから移住してきた隊員が、農業・漁業、地域の魅力PR、イベント運営など地域活動を行い、定住・定着を図る。2018(平成30)年は、1061の自治体で5000人以上が活動している。久米南町の隊員は8人目で、現在は篠原さんを含む6人が活動している。主な活動は、「久米南美しい森」(久米南町中籾)に住み込みキャンプ場などの利用者拡大を図るほか、薫製で地域活性を目指す。

 篠原さんは岡山市出身で、岡山市内の印刷会社に勤務していた。趣味の料理を楽しむ中で、長い時間を要する料理をしたいと思い薫製料理を行うようになったという。今年4月、小学校からの同級生と薫製専門店を開業。現在は、岡山県産のピーチポーク、ジャージー牛、森林鶏の薫製を店頭とネットで販売している。

 篠原さんは「ブラックペッパーやバジルやパセリ、ローズマリーなどスパイスやハーブも無添加なものを選んでいる。薫製は、下処理や乾燥など全ての工程で約2週間を要する。煙を起こすため桜チップを使い、温度と素材、時間によってできあがる味が異なる。実験を繰り返すように何度も試作をして作った」と話す。

 篠原さんは「イベント出店をするうちに、岡山県産の素材を使うことで、おいしい薫製を届けるだけでなく、地域にも貢献できると思うようになった。久米南町の鳥獣被害のことを知り、年間600頭以上捕獲されるイノシシを使った薫製品を作ることで少し解決できればと考えている。久米南町にない獣肉処理加工施設や薫製所を作り、キャンプ場内でも食べられるようにしたい」と話す。

 「久米南美しい森」には、宿泊施設やセミナールームのあるビジターセンターや、車を乗り入れられるオートサイト、野外音楽堂と呼ばれるステージなどの施設がある。キャンプに訪れた人にジビエの薫製商品やぼたん鍋などの提供も予定している。

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