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津山・院庄林業が「林業のかっこよさ」を伝える雑誌 PLUG編集部が制作

院庄林業・広報担当の竹内悟さん

院庄林業・広報担当の竹内悟さん

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 院庄林業(津山市)が雑誌「NORTHERN FORESTORY MAGAZINE(ノーザン・フォレストリー・マガジン)」を初めて発行して2月で半年がたつ。 

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 同誌は、2004(平成16)年から発行する岡山のファッションカルチャー誌「PLUG MAGAZINE(プラグマガジン)」を手がける編集部が、院庄林業の事業や取り組みを紹介する会報誌としてだけではなく、津山のことなど林業についての特別編集ムック本として初めて刊行した。

 巻頭には岡山県出身でパリコレなどでもファッションモデルとして活動する神原むつえさん、原田ユキヒデさんが内田縫製のデニムを着て製材所や森の中で撮影された写真を掲載しているほか、内田縫製の木こりのためのスペシャルジーンズ「ランバージャック」を院庄林業の伐採班4人が着用した写真とレポートを掲載している。

 同社は1955(昭和30)年に創業し、山から木を切り出し製材・販売を行ってきた。後に集成材の生産や外国産材の輸入や住宅建築を行うようになった。約9割を輸入に頼ってきた同社も8年ほど前から地元の山を買い取り、木を切り、植える事業を展開している。

 同誌には、国産ヒノキの天然無垢(むく)材ブランド「匠乾太郎(たくみかんたろう)」の売り上げの一部を「匠乾太郎植林基金」にし、成長した木を使い、苗木を植え、森林のサイクルを回す事業を掲載する。広報担当の竹内悟さんは「社員30人と共に、ヒノキの苗木1800本を植えた。1ヘクタール当たり3000本の苗木を植え、50年後に1000本ほどのヒノキが育つ。自分たちの手で植え、育てることで持続可能な世の中を目指すことだけでなく、木材という自然の恵みを大切にする心が育つ」と話す。

 地元の幼稚園や小学校、軟式少年野球チームなどに木育事業を紹介するほか、成長するごとに増える年輪のように「成長と変化を楽しめる」、社員92人の入社時と現在の写真も掲載する。

 同社の武本哲郎社長と谷口圭三津山市長による「どうなる? SDGsからひもとく津山の未来」と題した対談、社員10人が薦める津山市内のグルメスポット、「我が地元の良いところ」を書いたフリップを持つ勝間田高校、津山工業高校、美作高校の生徒99人の写真などを掲載している。

 竹内さんは「会社案内では伝えきれない林業のかっこよさを伝えたい。地元の高校生や大学生、地域の人たちに、ビルや商業施設、バイオ燃料など林業のこれからの可能性を感じてほしい。商品やサービスより社員の顔をなるべく多く掲載することで、当社の現在を凝縮した本にした」と話す。

 価格は550円。県内コンビニエンスストアやアマゾンで販売する。

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