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「オカヤマどんぶらこリサーチ」始動 用水路調査で海ごみを減らすプロジェクト

(左から)NPO法人「グリーンズ」の田辺邦彦さんと兼松佳宏さん

(左から)NPO法人「グリーンズ」の田辺邦彦さんと兼松佳宏さん

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 瀬戸内の海ごみを減らすプロジェクト「オカヤマどんぶらこリサーチ」のキックオフシンポジウムが2月25日、杜の街グレース・ピクニックテラス(岡山市北区下石井2)で行われた。

「オカヤマどんぶらこリサーチ」のキックオフシンポジウムの会場の様子

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 日本財団と瀬戸内の岡山県・広島県・香川県・愛媛県の4県が連携協定した「瀬戸内オーシャンズX(エックス)」が、調査研究、企業・地域連携、啓発・教育・行動、政策形成の4分野で活動し、瀬戸内海へのごみの流出を70%減らし、回収量を10%以上増やすことを目指す同プロジェクト。

 「オカヤマどんぶらこリサーチ」は、事前調査で岡山県では水門に多くのごみがたまり、後に海に流れていくことが分かり、海ごみの解決には用水路ごみの実態調査が必須だとし、科学者の知見と市民が協力して行う「シチズンサイエンス」の方法で解決を目指す。

 昨年9月、岡山市内の川ごみ調査「用水路を巡るスタディーツアー」を行い、今年2月にはグーグルマップを活用し、岡山市内の水門地図を作るワークショップ「岡山水門デジタル地図作成チャレンジ」を行った。約2時間で200カ所の水門を記録した地図を制作した。

 今回のシンポジウムでは、初めに放送大学元客員教授の磯部作(つくる)さんが「岡山の用水路の状況と海ごみ問題」と題して基調講演を行った。

 第1部では、「用水路モヤモヤ&ワクワクトーク」と題してトークセッションを行った。登壇者は、「イデア・アール・ラボ」主催の大月ヒロ子さん、RSK山陽放送ラジオ・パーソナリティーの坂本大輔さん、NPO法人「タブララサ」代表理事の利根弥生さん、京都工芸繊維大学准教授の水内智英さんの4人。モデレーターは「ココホレジャパン」の浅井麻美さんが務め、「危険だからと隠すのではなく、魚釣りや虫取りの場にするなど、身近に感じられる取り組みが必要」などの意見が出た。

 第2部では、「どうして、オカヤマどんぶらこリサーチ?」と題して、トークセッションを行った。登壇者は、京都大学准教授の伊勢武史さん、「イシュープラスデザイン」主催の白木彩智さん、「コード・フォー・ジャパン」の武貞真未さん、京都工芸繊維大学講師の津田和俊さんの4人。モデレーターは同イベントを主催するNPO法人「グリーンズ」の兼松佳宏さんが務めた。GPSを搭載した桃型の浮きを上流から複数流し、川の流れやたまりやすい場所などを調査する「オカヤマどんぶらこリサーチ」について紹介した。

 グリーンズの兼松さんは「今年度は川ごみと海ごみの現状を知り、話し合い、考える機会をつくってきた。参加してくれた専門家・市民と一緒に、このプロジェクトリサーチを実現させたい」と話す。

 3月12日にはジョギングとごみ拾いを掛け合わせた「プロギング」を行う。国道2号線と国道180号戦(岡山西バイパス)の接合点辺りの米倉港からスタートし、用水路をさかのぼりブランチ岡山北長瀬(北長瀬表町2)まで、周辺状況などを観察しながらごみを拾うイベントとする。

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