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岡山大で「国際和楽器学生フェスティバル」 小中学生向け箏の演奏体験も

岡山大学教授の早川倫子さんと箏曲演奏家の山路みほさん(左から)

岡山大学教授の早川倫子さんと箏曲演奏家の山路みほさん(左から)

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 「おかやま国際和楽器学生フェスティバル」が8月1日~3日の3日間、岡山大学・創立五十周年記念館(岡山市北区津島中1)で開かれる。

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 主催は、岡山大学教授の早川倫子さんが代表を務める「子どもと音楽」研究チーム。2014(平成26)年から箏曲演奏家の山路みほさんとは、箏(こと)などの和楽器に親しんでもらう親子向けの和楽器のワークショップなどを行ってきた。コロナ禍に山路さんは、早川さんの大学院で古典音楽の伝承と普及について研究したことをきっかけに、実践として同イベントを構想した。

 同イベントは、モスクワ音楽院、フィリピン大学、シンガポール国立大学、フランスのジャンティイー音楽院で箏や尺八などの和楽器を学ぶ学生と指導者を招く。伝統楽器の普及と伝承だけでなく、国際交流と次世代の育成を図る。

 1日目は、同大教育学部の学生と同大邦楽部の30人と海外の学生が、江戸時代から演奏される古典箏曲「六段の調」の講習を受ける。2日目は、学生たちのコンクールを開催。課題曲に「六段の調」「鶴の声」などを選び、同大音楽教育賞の受賞者は3日にコンサートで演奏することができる。2日間を通して、コンサートで演奏する1972(昭和47)年に作られた「つち人形」、「春の海」の作者・宮城道雄さん作曲の「さらし風手事」、2003年に作曲した「上昇の彼方」、「鶴の声」の4曲を、曲ごとのチームを作り練習する。

 3日目は、小中学生向けのワークショップを行う。前半は楽器を使って自由に遊べる時間を設け、後半は「夕焼け小焼け」の演奏を練習するほか、大学生が主体となりフォーラムを行う。外国から参加する学生たちに、子どもが「箏曲を始めたきっかけや、魅力」などを聞く。講師の山路さんとみやざきみえこさんによる「水の変態」の演奏の後、学生全員で「六段の調」を披露する。

 山路さんは「岡山県では、1994年(平成6)に美星町で第1回ワールド尺八フェスティバルが開かれ、その後4年ごとに開かれる世界的なイベントになった。同じように世界中の箏を学ぶ人が集まれる場を作りたい。倍音の多い楽器なので、リアルに肌で音を感じてほしい」と話す。

 早川さんは「和楽器は、人によって出てくる音程に幅がある。同イベントでは正しい音ではなく、自分の音を奏でる。感性を広げる機会、言葉を使わずして共鳴できる機会として、ぜひ子どもたちにワークショップ、演奏を聴くだけでも参加してほしい」と話す。

 3日は9時30分受け付け、箏ワークショップ=10時~12時、フェスティバルコンサート=14時~16時。ワークショップの受付締め切りは今月20日。

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