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岡山・興陽高生が農薬・化学肥料使わず綿花栽培 東京でクッション販売へ

岡山県立興陽高校の農業クラブ役員

岡山県立興陽高校の農業クラブ役員

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 岡山県立興陽高校(岡山市南区藤田)の生徒による「綿花プロジェクト」が現在、行われている。

岡山県立興陽高校で栽培した綿花

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 同校生徒が植えた綿花の種は2022年、コロナ禍の影響で岡山空港の国内線・国際線共に減便されたことから空港を盛り上げようと、デニムの産地でもある井原市にある岡山県立井原高校が植えた綿花から取ったもの。昨年から興陽高校の農業クラブの役員が中心となり敷地内で栽培を始め、90リットルの袋10個分ほどの綿花を収穫。デニム生地を使ったお守り、がま口のポーチ、ヒヨコのキャラクター人形を、育てた綿花を使い製作・販売した。

 今年は昨年と作付面積は変えず、畝(うね)の数や株間を詰めて約1.5倍の収穫量を想定。農薬、化学肥料を使わず綿花を栽培している。農林水産省のデータには国内産の綿花のデータはなく、輸入に100%頼っていると言われている。9月から約2カ月かけて収穫する。

 農業科、農業機械科が栽培・収穫した綿花は、被服デザイン科がオーガニックコットンで作った生地で中袋・外袋を製作する。約40センチ角、白・赤・緑のクッション100個を製作する。収穫した綿花は、種や虫、ごみなどを取り除き自然乾燥。その後、クッショに詰めていく。来年1月末には、アンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」(東京都港区)などでクッションの販売を行う。

 農業科3年の中村美鈴さんは「水やりや虫の除去など大変な面もあった。『雲に包まれたような心地良さと自然を感じる安心感』をクッションに触れて感じてほしい。コロナ禍の影響で中学生の修学旅行は中止になった。東京で綿花の良さを伝えたい」と話す。

 「岡山県は綿花の栽培から繊維産業で栄えた。興陽高校だからできるやり方で、綿花を育て伝えていく活動を続けていく。今後は、姉妹校の台湾・台中高級農業職業学校と協働や東京だけでなく、日本各地に出かけていきPRしていきたい」とも。

 クラウドファンディングで11月4日まで、クッション製作への協力を呼びかけている。

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