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岡山出身の画家・幸山将大さんの個展 完成まで7年かけた作品も

画家の幸山将大さん

画家の幸山将大さん

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 岡山出身の画家・幸山将大さんの個展「FROM NOWHERE(どこでもない場所から)」が現在、「gallery2-16(ギャラリーニノジュウロク)」(岡山市北区富田町)で開かれている。

画家・幸山将大さんの個展「FROM NOWHERE(どこでもない場所から)」の展示の様子

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 幸山さんは1988(昭和63)年生まれ、倉敷市出身。アクリル画とドローイングを中心に、2011(平成23)年に画家として制作活動をスタート。これまで県内で個展を開くほか、2019(平成31)年にネパールの山村、2023年には長野県八ヶ岳にある山小屋で滞在制作も行ってきた。11月には、鳥取で開催される「鹿野芸術祭」への参加も予定している。

 同展のテーマは「FROM NOWHERE(どこでもない場所から)」。幸山さんは「喜びや悲しみなどの感情やアイデアが湧き出る源泉が自分の中にあるとしたら、どんな景色だろうか。その景色の場所を『NOWHERE(どこでもない場所)」と名付け、研究し描いてきた』と話す。

 ギャラリーには、テーマとなった作品「FROM NOWHERE」と、同作の中から湧き出てくる生き物やアイデアなどを描いた約20点のアクリル画、絵の具や鉛筆のドローイング、鹿野芸術祭出展に向けた土で描いた作品6点も展示する。

 メインビジュアルとしたアクリル作品「At the end of the sky」は、完成まで約7年をかけたという。スタートは、2018(平成30)年にミュージシャンの友人の音楽に乗せて行ったライブペイントで描いた。画面中央にいる人のポーズが決まらず未完成としていた。幸山さんは「始めは人が山を登る絵だった。高みを目指して挑戦する姿がどうしても腑(ふ)に落ちなかったので、その後、何度も描き直したが完成には至らなかった。保護していた鳥を群へと解き放つ人の姿とし、挑戦だけではない優しさを描くことができた」と振り返る。

 鹿野芸術祭に出展予定の作品は、現地・鹿野町の山の土を絵の具にする作業からスタートする。土を乾かし、細かくひいて濾(こ)し、定着剤で溶いて絵の具とする。粘土質の土は赤く、鉄分が高い土は黒くなるなど土の性質と定着剤の量を見極めながら色を調整する。「絵の具の原料に意識を向けたは初めて。現地の空気感を絵から感じてもらえたら」と話す。

 開催時間は11時~17時。観覧無料。9日・10日は休館。10月13日まで。

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