来年の干支(えと)である「午(うま)」の大絵馬・除幕式が12月15日、岡山神社(岡山市北区石関町)で行われた。
岡山神社の大絵馬は、2013(平成25)年の巳(み)年に始め、2回目の午を迎える。前回、2014年(平成26)年の大絵馬は、歯車を回すと首や足などが連動して走っているように見える仕組みだった。
当日は、岡山神社の久山信太郎宮司が祝詞を上げた後、奉納者のデザイン事務所「cifaka(シファカ)」(同)の作元大輔さん、デザインユニット「COCHAE(コチャエ)」の軸原ヨウスケさん、旧久米町の郷土玩具・久米土人形を継承するデザイナーの長友真昭さんと共に除幕式に臨み、目入れを行った。
今年の大絵馬は、絵馬の中に白い馬がいるのではなく、四つ足で自立した馬の背中に絵馬を背負っている。古代日本では生きた馬を奉納した風習が簡素化され、現在の絵馬になったといわれている。厩(うまや)を模しているため、絵馬の上部が山型になっているという。朱色に塗られた大絵馬の中に56本の黄色い棒を設け、願い事を書いた絵馬を差し込んで奉納する。
長友さんは「郷土玩具でも白い馬はよく見られる。神様を運ぶ存在として、信仰の対象となる。例年、雨や風でどうして劣化してしまう。今年は大絵馬の屋根の下に絵馬を奉納できるので、鮮やかな色が長く見ていて楽しいはず」と話す。
来年は、60年に一度の丙午(ひのえうま)。前回の1966(昭和41)年には、迷信から前年の約25%少ない出生数だった。同迷信のきっかけとなったのは、井原西鶴の浮世草子「好色五人女」に出てくる「八百屋お七」が起こした放火事件。恋人に会いたくて火をつけてしまう情熱的なお七が1966年の丙午の生まれだったとされ、うわさとなったといわれる。
同神社宮司の久山信太郎さんは「来年は、火の如く熱い思いで、馬の如くさっそうと躍進する年としてほしい。大絵馬にたくさんの願いがのせられ、華やかになる姿を楽しみにしている」と話す。
絵馬は2枚で、初穂料は500円。