吉備国際大学(高梁市伊賀町)の学生が行う「選挙に行こうZE!プロジェクト」が9月20日、立候補者へ行ったアンケートを公表した。
同大社会科学部経営社会学科のゼミ生男女7人が企画した同プロジェクト。これまで高梁市の地域課題について学ぶイベントなどを開催してきた。イベントでは市議会議員が登壇し、意見交換をすることもあったという。リーダーの竹内こすもさんは「イベント内で意見交換をする中で、地域を良くするには大学生を含めた10~20代の若者が選挙で投票することは大切なことだと感じるようになった」と話す。
8月19日、高梁市の市長選挙・市議会議員選挙の立候補予定者説明会でアンケート開催の説明を行った。9月10日・11日には、立候補届出書類事前審査に訪れた立候補予定者17人にアンケートを手渡し協力を求めた。
竹内さんは「回りにいる大学生のうち、投票に行く人は約2割。『どんな人が選挙に出ていて、何をしようとしているのかが分からない』。分からないから投票に行かないという声が多くあった。立候補者にアンケートをお願いし、公表することで投票につなげようと考えた」と話す。
アンケートは、「高梁愛(高梁の好きなところ)を熱く語ってください」「10年後の高梁をどのような街にしたいか?」「選挙に立候補した理由は?」「もし宝くじで1億円が当たったら?」「若者に一言」の5問。
柳辺遥さんは「『宝くじが当たったら?』の質問では、高梁のために使うというコメントもあれば、自分のものを買うという人もいて、人間性が垣間見えた。語りかけるように優しい文面の人もいて、高梁市を任せたいと感じる人もいる。アンケートを読んでほしい」と話す。
2019年の参議院選挙の結果から、19歳~29歳の投票者数を高梁市内44カ所ある投票所のうち5カ所を選び調べたところ227人だったいう。備中松山城(内山下)の猫城主の名前「さんじゅーろー(316)」の語呂に合わせて、同じ投票所の投票者数を316人することを目標としていた。
同日、両選挙の告示があったが、市長選挙に1人、市議会議員選挙に定数の18人のみが立候補したため、選挙は無投票となった。投票者数のカウントはできなくなったため、アンケートを5000人に見てもらうことに目標を切り替えた。
竹内さんは「無投票になったことにショックを受けた。高梁市を任せたいと思える人もいるが、そう思えない人もいる。投票無しで当選してしまうことに怖さや焦りを感じる。どんな人が市議会議員になったのかを知るためにもアンケートを見てほしい」と話す。
柳辺さんは「4年に1度の選挙で、市民の声が届けられないことを悲しく思う。選挙ポスターに、高梁をどうしたいのか書かれていない人もいる。ホームページやSNSを活用している立候補者は少ない。このままでいいのかと疑問に思う若い世代が増えることが、高梁市が変わるきっかけになると思う」とも。