伊勢神宮を専属カメラマンが写した写真展「神宮写真展」が12月7日、能楽堂ホールtenjin9(岡山市北区天神町)で始まった。主催は岡山県神道青年協議会。
同展は、加藤直人さん、Kankan(カンカン)さん、南川三治郎など伊勢神宮の専属カメラマン3人が撮影した写真を展示。伊勢神宮では年間、約1500回の祭事が行われる。「神嘗祭(かんなめさい)」「月次祭(つきなみさい)」の写真のほか、参道口にある宇治橋を借景にして撮影された朝日や天の川の写真など40点。いずれも専属カメラマンだけが撮影許可をもらい撮影した写真ばかり。A4~A0サイズの写真とタペストリーに印刷した写真3点を展示する。これまでに東京、福井、鳥取などでも展示を行った。
伊勢神宮の神札「神宮大麻」が一般家庭に配られ始めて150年を記念して開く今回の展示。神札は、1872(明治5)年から全国に広まり、その後、家庭にも神棚に置く風習が定着したという。
会場は、山陽放送の社屋内にある国産無垢材(むくざい)を使った総ヒノキ造りの能舞台。会場を訪れた女性は「神社にいるような神聖な空間で伊勢神宮への思いが膨らみ、祭事の意味など、もっと知りたくなった」と話す。
同会会長の日幡博行さんは「どの作品もネットやSNSで公開していない。夜空を写したものや雪景色など、参拝者でも、私たち神職でも見たことのない伊勢神宮を見ることができる。伊勢神宮では、無事に参拝できたことが大吉だとして、おみくじを用意していない。当展も同じく、来た全ての人に大吉を届けたい思いで企画した」と話す。
参加者は、神職の衣装「狩衣(かりぎぬ)」や巫女(みこ)の衣装「千早(ちはや)」を羽織って撮影できる。撮影した先着50人には備前焼のウサギの置物を進呈。ウサギは、日幡さんが禰宜(ねぎ)を務める天津神社(備前市伊部)に併設される窯で製作したもの。同神社は備前焼の里の氏神とされ、神門など備前焼でできている。同展オリジナルの御朱印帳作りや、巫女風の髪飾りを作るワークショップも開かれた。
会場では約20人のスタッフが装束を着て、笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)の雅楽演奏を行った。日幡さんは「伊勢神宮の品位を感じてもらいながら、親しみを感じてもらえるワークショップも行えた。伊勢神宮だけでなく、地元の神社を身近に感じてもらいたい」とも。
12月8日まで(8日は9時~15時)。入場無料。