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玉野に蓄電池工場「パワーベース」 工場施設は建築家・妹島和世さんが担当

パワーエックスの伊藤正裕社長

パワーエックスの伊藤正裕社長

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 玉野市に建設予定の蓄電池工場「PowerBase(パワーベース)」の地元説明会が12月19日、玉野市内で開かれた。

PowerBase 建築設計イメージ図1

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 事業を行う「パワーエックス」(東京都港区)社長の伊藤正裕さんが、蓄電池販売、EVステーション、電気運搬船の3事業について説明した。同社は昨年3月に設立し、現在までに70億円を超える資金を調達。伊藤さんはアパレルブランドZOZOの取締役兼COOなどの経歴を持ち、ZOZOスーツなどの新規プロダクトの開発を手がけた。

 当日は、地元企業の経営者・従業員、住民など約250人が集まった。プレゼンテーションでは、電池の生産は行わず、電池を組み合わせて作る大きな電池(ブリックやモジュール)の組み立て工場であり、汚染や廃棄はほとんどないと説明した。実際に約5キロある最小単位の電池(セル)を手に持ち説明するシーンも見られた。

 建設予定地を玉野に選んだ理由についても、豊かな自然環境、国際芸術祭など県外・国外からも「住みたい」「訪れたい」と思われる立地と、造船業の街である物流網と港がある「ものづくり」の3つの観点から伝えた。1000近いパーツやフレームの最大65%を国内・地元企業から調達予定とし、約5年間に100人以上の地元雇用を予定しているという。

 工場施設は、玉野市田井6丁目の2万平方メートル以上の敷地を購入し、生産ライン工場、オフィス・ラボ・カフェテリアの建設と敷地の緑化を予定している。生産ラインは2023年10月ごろからテスト生産を始め、2024年から本格稼働を行う。蓄電池は時間当たり最大5ギガワットの生産量となる予定。

 建物などは、建築家の妹島和世さんが担当する。妹島さんは2010年にプリツカー賞を受賞したほか、西沢立衛さんとのユニット「SANAA」として、金沢21世紀美術館や、岡山大学の「Junko Fukutakeホール」や「Jテラスカフェ」などを手がけ、瀬戸内国際芸術祭ではアート作品として出展もしている。伊藤さんは「ここで働きたいと思える『未来の工場』を実現させたいと思い、妹島さんにお願いした。大学のキャンパスのような心地よい環境で、引っ越ししてでも働きたいと思える場所になることを目指す」と話す。

 後半では参加者からの質疑に答えた。リン酸鉄リチウム電池を使うことで、発火性の低さや長寿命であることや、電池(セル)全てにIDを振り、IOTで寿命などを管理し、リサイクルまでのライフサイクルを考えていることのほか、工場内で働くロボットの様子や実際に使われる蓄電池の様子など工場見学を観光の取り組みについて述べた。

 伊藤さんは「とてもワクワクしている。玉野から太陽光や風力などの化石燃料を使わないクリーンな電気を届けていきたい」とも。

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