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岡山のガラス作家・石川昌浩さんの企画展 老舗民芸店とガラス作品1400点

くらしのギャラリー本店のスタッフ

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 「現代日本民藝(みんげい)展覧会」が現在、くらしのギャラリー本店(岡山市北区問屋町)で開かれている。

「現代日本民藝(みんげい)展覧会」の様子1

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 ガラス作家・石川昌浩さんが企画する展示会と石川さん自身の作品を並べる個展「石川硝子工藝舎 超納品」を併催する同展。くらしのギャラリー本店・4代目番頭の仁科聡さんが入社した頃から、石川さんが仁科さんに作家を紹介する形式で企画展を始めた。

 石川さんは、日本民藝館が毎年行う新作工芸公募展「日本民藝館展」で2021年度最高賞の日本民藝館賞を岡山県で初めて、吹きガラスとしても初めて受賞。2022年には岡山芸術文化賞グランプリも受賞した。

 仁科さんは「石川さんの作品は毎年、変わっていない。一方、石川さんはずっと刺激を受けながら変わり続けている。偉大な賞をもらったことで、おごらず、浮かれず、制作を続けていくためにも原点に立ち返る企画にした。改めて民藝とは何か。柳宗悦以降が作った民藝の呪縛から解き放ち、現代の多様な価値観にあった民藝、何でもありではない民藝。もっと気楽に暮らしを楽しくするものとして、民藝を解き放ちたい。このイベントのチラシは、縦長のお札のようでもあり、果たし状のようでもある」と話す。

 出店は、1932(昭和7)年に開店した現存する最古の工芸店「鳥取たくみ工芸店」(鳥取県)、翌年に同店の東京店として開店した「銀座たくみ工芸店」(東京都中央区)、1962(昭和37)年に5坪から始めた「べにや工芸店」(東京都目黒区)、1924(大正13)年に創業し、出版社として宮沢賢治の童話集「注文の多い料理店」を出版した後、工芸店となった「光原社」(岩手県盛岡市)のほか、くらしのギャラリーを経営する「岡山県民藝振興」(岡山市北区)も出店する。

 岡山県民藝振興は、地方民藝館の第1号として1948(昭和23)年に倉敷民藝館(倉敷市)ができる直前の1947(昭和22)年に杉岡泰さんが設立。たくみ工芸店の3店舗目として「岡山たくみ工芸店」と名付ける案もあったという。

 3月10日には、「民藝と配り手」と題して、「わかりやすい民藝」の著者・高木崇雄さんと石川さんのトークイベントを行った。高木さんは工芸店「工藝風向」(福岡市)店主で、九州大学大学院で柳宗悦と民藝運動を研究し、機関誌「民藝」の編集長でもある。くらしのギャラリー阪急うめだ店(大阪市北区)ではこれまでに3回、2人のトークイベントを行ったことがある。仁科さんは「石川さんは以前、高木さんの著作を読んで自身の呪縛から解放されたと言っていた。私たちは、売り手ではなく、配り手として作り手のことやその考えていることも伝える。今回改めて、品ぞろえのバランスや岡山の工芸店であることの意味を考えさせられた」と話す。

 店内には、石川硝子(ガラス)工藝舎の網目コップ、六角コップ、皿、丸つぼなど1400点以上を用意している。「石川さんはたくさんの作品を作り続ける。石川さんの個展は他人の作品を並べる、一見変わった存在に見える。芹沢銈介がこだわった個展の在り方によく似ている。個展は自己表現の場だったが、新作発表会になり、展示即売会に変わってしまった。原点に戻った石川さんの個展を一緒に楽しんでほしい」と仁科さん。

 開催時間は11時~19時。今月26日まで(14日は定休)。

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