岡山の高校生・大学生とボランティアなどのマッチングアプリ「ボラント」の提供が始まって、8月1日で3カ月がたった。
企画・運営は一般社団法人「SGSG」(岡山市北区奉還町3)。野村泰介理事長が、岡山工業高校(伊福町4)の非常勤講師としてキャリアについて考える昨年の授業で、「コロナ禍でボランティア活動を探す術がない」という意見が多く、その解決策として高校生からマッチングアプリの提案があったという。
アプリ制作は、笠岡市の地域おこし協力隊員で教育の支援事業などを行う「kakeruX(カケルクロス)」(笠岡市)の寺田伊織さんが担当したほか、岡山工業高校デザイン科の生徒がキャラクターをデザインした。
高校生・大学生は登録無料で使える。参加した活動によってポイントが付与され、今後はポイントを電子マネーに変換できる予定。企業・団体・行政などは、ボランティアや地域の祭りスタッフの募集だけでなく、イベント参加の告知や会社見学、インターンの募集も掲載することができる。これまで、子ども食堂のスタッフ募集などが掲載された。
元高校教諭の野村さんは2017(平成29)年、高校生が校外活動を行い地域とつながる場所としてSGSGを設立。発達障がいの子どもなどの学習支援事業、フリースクールなども行ってきた。昨年12月、中高生の自発的な活動できる開かれた場所として民間運営の「奉還町ユースセンター」を開設。毎月100人以上の中高生が訪れている。
野村さんは「学校、企業から出会いの場を提供してほしいと相談が多くある。ボランティアにかかわらず、中高生と当サービスを使えばつながれるという入り口にしたい。岡山に特化したサービスとして多くの人に利用してもらい、リアルな場として中高生と企業をつなぐユースセンターとして機能させていきたい」と話す。