
写真家・難波航太さんの「一日限りの写真展&トークショー」が9月7日、イコットニコット内のコワーキングスペース「Wonderwall(ワンダーウォール)」(岡山市北区駅前町1)で開かれる。
難波さんは1996(平成8)年生まれ。大学卒業後、広告代理店に勤務し、2022年に独立。現在、岡山県を拠点に取材写真・広告写真の建築、人物などを撮影する。2025年の「第73回朝日広告賞」の一般公募・新聞広告の部で、コピーライターで高校の同級でもある奥野真由さんと共に、彩きもの学院の課題「着物を美しく着る文化を後世に引き継ぐ」に対し、倉敷美観地区を外国人観光客からカメラを向けられる写真に「にんきもの?」というコピーを付けた作品でグランプリを受賞した。
8月には昨年から撮り続けた「夕暮れ」写真をアサノカメラ(表町1)で開催した。デジタルではなく、フィルムカメラで撮影した約30点を展示した。
同展のテーマは「変わりゆくものを残す」。日本の四季の美しさを表現した作品約20点を展示。岡山県内で約3年間かけて撮りためた写真からセレクトし、肉眼で見た時の印象に近くなるようにこだわり、印刷したという。
難波さんは「自分の幼少期と比べると、四季のバランスが崩れてきているように感じる。気候変動を食い止めることはできないが、せめて、今ある美しい景色を写真で残したい」と話す。
当日は、第73回朝日広告賞のグランプリ作品、江戸時代から製茶をする「小林芳香園」(美作市巨瀬)の茶畑の景色や手作業でごみを取り除く作業風景、茶葉を煮て天日干しする様子など、数点の写真も展示する。
トークショーでは、「プリントしてからが写真の始まり」をテーマにデジタルデータで写真を保存することが当たり前の今、あえて写真を印刷して飾る良さについて話す。聞き手は、難波さんの妻でライターの杉原未来さんが務める。
「実家で寝込んでいた時、約30年前に撮られた兄が写った写真を見つけた。ピントも合っていない幼少期の兄の写真は、母にとっては宝物。データで保存されていたら、私が目にすることはなかったかもしれないが、印刷し飾られていたからこそ、見つけることができた。偶然の出合い生んだ印刷することの魅力を感じ、伝えたい」とも。
開催時間は10時~19時30分。トークショーは13時~14時。入場料は、一般=990円、大学生以下=660円、未就学児無料。