ひとり親家庭に食料品・日用品を届ける公共冷蔵庫「北長瀬コミュニティフリッジ」の5周年記念感謝状贈呈式が11月20日、北長瀬未来ふれあい総合公園みはらしプラザ(岡山市北区北長瀬表町2)で開かれた。
公共冷蔵庫「北長瀬コミュニティフリッジ」の5周年記念感謝状贈呈式での挨拶の様子
同施設はコロナ禍の2020年、生活に困難を抱える世帯に対して、食料品・日用品を24時間無償提供する施設としてオープンした。利用者は、岡山県内在住で児童扶養手当または就学援助を受給している親子。商業施設「ブランチ岡山北長瀬」の駐車場横にある施設は無人で、電子ロックで開錠して24時間いつでも持ち帰ることができる。
当日は、フードプレゼンターと呼ばれる寄付者を招き、同施設を運営する北長瀬エリアマネジメント代表の新宅宝さんが感謝状を贈ったほか、岡山こども食堂支援センター代表の直島克樹さんが講演を行った。
プレセンターとして出席したのは、野菜の提供だけでなく、収穫体験を開催した人、クリスマスケーキやバースデープレゼントを提供した個人。毎月の誕生日会で食事を提供するサンマルクホールディングス、冷蔵庫の提供するフクシマガリレイ、食料品を届ける岡山スイキュウ、場所を提供する大和リースのほか、学用品などの提供をした岡山西南ロータリークラブ、岡山ハーモニーライオンズクラブ、KDDIまとめてオフィス、岡山県健康づくり財団、岡山コープ岡山西エリア、岡山市社会福祉協議会などの企業団体が参加した。
5年間に同施設は全国で22カ所に拡大。グッドデザイン賞、企業フィランソロピー大賞も受賞した。10月には「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(東京都渋谷区)と包括連携協定を結んだ。
寄付者の数は、初年度は個人457人・22企業団体だったが、現在は個人1530人・161組織となった。利用者は初年度342人だったが、近年は約600人が登録している。寄付点数は、企業からの支援が増えたことにより、昨年これまで最大の41万点以上となった。
新宅さんは「『困っているときに助けてくれるという安心感が一番ありがたい』と利用者から声をもらう。コロナ禍に始まった活動だが、物価高など食事を制限するなど、困難を抱える人はいまだ多い。困ったときはお互いさまの気持ちのある個人や企業・団体のおかげで引き続き、支援していく。子ども食堂との連携など新たな取り組みにもチャレンジしていきたい」と話す。