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岡山のネクタイ職人が新しいネクタイ提案 クラウドファンディングも

新商品「emon仕様」を手にアピールする笏本達宏さん

新商品「emon仕様」を手にアピールする笏本達宏さん

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 岡山県津山市のネクタイメーカー「笏本(しゃくもと)縫製」(津山市桑下)が手掛けるブランド「笏の音 SHUKUNONE」が10月4日、新商品開発への支援を募るクラウドファンディングを始めた。

新商品「emon仕様」の特徴の一つ ネクタイの裏側が着物の襟(えり)元のように重ねている

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 同社は 1968(昭和43)年、笏本達宏さんの祖母が創業した。これまで有名ブランドメーカーなどのOEMが主だったが、2015年に同ブランドを立ち上げた。これにより、直接、客の声を聞くことができ、これまでに無かった商品を作ることができたと言う。笏本さんは「ビジネスシーンで着用されるネクタイは無難でありきたりなものが多い。奇抜なものを求める人は少ないが、普通なものではなく少しこだわりが見え隠れするものを探している人が多いことが分かった」と話す。

 同ブランドでは山梨・京都の国産シルクを100%使い、手作業で縫っている。機械が行う工程も人の手で作ることで、柔らかくしなやかになると言う。笏本さんは10年前、それまで行っていた美容師を辞め家業である縫製職人となった。現在でも仕事の3分の2は縫製の時間に充てている。

 クラウドファンディングサイト「FAAVO岡山」を活用し、新商品「emon仕様」のネクタイをリリースする。昭和20~30年代には多く作られていた手巻き三巻製法を使い、裏地を使わないことで軽く、締めやすくて、首回りの窮屈感を軽減できる。同製法で縫うことのできる職人は減っており、縫製時間は通常の約10倍かかる。柄は下地の色と同じ色の糸で模様を入れ、日本人の奥ゆかしさや謙虚さの中にあるおしゃれを演出したと言う。

 ネクタイの先の部分には芯を入れず、1枚の生地を折り返し表に糸が見えないように仕上げている。裏側は生地を左右対称ではなく、着物の襟(えり)元のように重ねている。このことから商品名を名付けた。

 「クールビズでネクタイを締める機会が少なくなったが、ネクタイのかっこよさ、ネクタイを締めることでピリッとする雰囲気がつくれることをもう一度感じてほしい。クラウドファンディングで多くの人に知ってもらい、今後も、これまでにないもの、説明のいらないマスターピースを作り上げていけるように努力していく」と話す。

 同ブランド商品は、天満屋岡山店・津山店、アンテショップ「とっとり・おかやま新橋館」(東京都港区)などで扱う。クラウドファンディングは11月10日まで。

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