企画展「蜷川実花展~虚構と現実の間に」が現在、岡山シティミュージアム(岡山市北区駅元町)で開かれている。
「永遠の花」「桜」「Portraits of the Time」「うつくしい日々」の4章で構成し、約280点の作品を展示する。
学芸員の西由紀子さんは「永遠の花」について、「蜷川さんが20代のころ、メキシコでコップに差してあった鮮やかな花を見かけた。日差しの強いメキシコでは、生花ではなく造花だったというエピソード。色鮮やかできれいに見える花は、人の欲望に合わせて作られたもの。蜷川さんの繊細さにハッとさせられる」と話す。
「桜」について、「東日本大震災があった頃の東京の桜。桜を見る余裕はどこにもなかった。だから残しておこうと2500枚もの写真を撮った。きれいに見える桜の花の裏側にはつらい現実があり、儚(はかな)さがある」とも。
「Portraits of the Time」は、スポーツ選手、芸術家、俳優、アイドルなど、これまで写真集として撮られたものから雑誌のグラビアなどから150人以上のポートレートを展示する。
「うつくしい日々」について、「父親の蜷川幸雄さんが入院し、1年半の間、毎日のように撮り続けた写真。何げない景色がなぜかクリアに見え、いつもと違っていた。言葉との組み合わせはこれまでにない作品」とも。
「4つの世界がそれぞれ刺激的で、切り替えが必要。初めの2章は写真を撮ることもできるので、どっぷり浸かって楽しんでほしい」と西さん。
2月27日、3月10日は、ギャラリートークも予定している。
開催時間は10時~18時。入場料は、一般=1,300円、中・高校生=800円、小学生以下=無料。3月31日まで。