書店「スロウな本屋」(岡山市北区南方2、TEL 086-207-2182)が4月24日、電話やメールなどで注文を受けた書籍を縁側で渡すサービス「縁側スルー」を始めた。
同店は、新型コロナウイルスの感染拡大を予防するため4月20日からオンラインショップだけの営業としている。三軒長屋の端にある同店は、門を少しだけ開けて縁側スルー客を待っている。常連客を中心に散歩途中などに利用する人もいるという。
店主の小倉みゆきさんは「家で過ごす時間が増え、読書する人も増えている。いつもは読まないような本も売れることがある。今の状況に似ている水俣病を題材に書かれた石牟礼道子さんの『苦海浄土』。畑や庭の土いじりを始めた人も多いのか、大野八生さんの『みんなの園芸店』。毎日の生活や生きるについて考えてみる時間を持つ人も増えたのか、神谷美恵子さんの『生きがいについて』やメイ・サートンさんの『独り居の日記』など」と話す。
縁側には、今月の副店長・小学3年生の石見哲音さんが推薦する「空飛ぶ教室」を陳列している。小学生副店長制度は、2016(平成28)年からスタートし30人以上が勤めた。岩波少年文庫の中から1冊選び、手作りの帯やポスターを制作した。ポスターには登場人物のキャラクターを描き、「学校に行った気持ちになれるよ」とお薦めポイントを記載している。このほかに購入特典の紙飛行機が付いてくる。祖母に感想をインタビューしたレビューポスターも貼っている。