プレスリリース

MSC認証漁場が環境省「自然共生サイト」に登録

リリース発行企業:株式会社UMITO Partners

情報提供:

「ウミとヒトの関係を、ポジティブにつなぎ直す」をパーパスに、海のネイチャーポジティブを推進する株式会社UMITO Partners(本社:東京都中央区、代表取締役:村上春二)がかねてよりMSC漁業認証の取得・維持を支援してきた、岡山県瀬戸内市邑久町漁業協同組合(以下「邑久町漁協」)による牡蠣養殖海域の取り組みが、2026年3月に環境省の「自然共生サイト」に登録されました。(登録名称:「瀬戸内市邑久町 牡蠣の恵みと未来の海の維持・保全計画」以下「本計画」)。本登録に係る申請にあたっても、UMITO Partnersが申請支援を行いました。



自然共生サイト申請の背景と目的
昔から牡蠣生産で有名な瀬戸内海沿岸の町・瀬戸内市邑久町。高齢化や担い手不足の課題に直面する中、2019年に株式会社マルト水産が主導し、邑久町漁業協同組合とともに認証取得プロジェクトを始動。UMITO Partnersの支援のもと、通常18ヶ月程度かかるとされる審査を約7ヶ月で完了し、同年12月、牡蠣の垂下式漁業として世界で初めてMSC漁業認証を取得しました。現在も漁業者主体でモニタリングと改善を継続し、科学的根拠に基づく漁場管理を実践しています。

また、本海域は瀬戸内海国立公園に含まれ、環境省が整理する「生物多様性の観点から重要度の高い海域」にも該当します。岡山県の希少種であるスナメリが生息するほか、アマモ場が分布するなど、豊かな海洋生態系が残る海域です。瀬戸内海では干拓などの影響によりアマモ場の多くが失われてきましたが、邑久町漁協では漁業者を中心に2012年からアマモの保全・再生活動を継続しています。アマモは魚類の産卵場や稚魚の育成場として多様な海洋生物を育むとともに、有害藻類の増殖を抑制する働きがあり、牡蠣養殖の生育環境の維持にも寄与しています。

こうした漁業者主体の漁場管理と生態系保全の取り組みを可視化し、地域・企業・消費者など多様な主体とともに海域保全をさらに推進するため、このたび自然共生サイトへの申請を行いました。

漁業者が取り組む底生生物調査の様子

取り組みの主な内容
本計画では、「マガキやアマモをはじめとした在来の海洋生物が健やかに育つ、健全でバランスのとれた生態系からなる漁場を維持する」ことを目標に以下の活動に取り組んでいます。
- アマモの保全・再生(漂流花枝の回収、種子成熟、播種等)
- 漁場の生態系保全(筏密度・水質管理、季節に応じた筏移動、海底耕運、希少種への配慮等)
- 環境教育・啓発(取引先・消費者・教育機関の参加受入、漁協施設での展示・見学受入等)

モニタリングについては、アマモの生育状況確認(潜水・ドローン等)に加え、MSC認証の基準に準拠した、水質、牡蠣の生育状況、底生生物調査、希少種であるスナメリ・ウミガメ類の目撃記録など、科学的根拠に基づいたモニタリングが継続的に実施されています。

また、漁協が主体となりながら、自治体や企業と連携しアマモの再生活動を行っていること、こうした連携を通じて水産物の流通関係者・消費者を巻き込んだ活動となっていること、積極的な環境教育活動や林業関係者など、陸域と連携した保全活動を視野にいれている連携の強さも特徴的と言えます。

成熟して種が付いたアマモの花枝(かし)


おかやまコープと連携したアマモの種の回収活動。邑久町漁協の山本参事が、参加したおかやまコープの組合員に作業を説明している様子。


パルシステムと連携したアマモの種取り・播種活動。瀬戸内市立裳掛小学校の児童が参加。

関係者からのメッセージ


私たち邑久町漁業協同組合の海域が、日本最大級の海エリアの「自然共生サイト」として認定されましたことを、心より嬉しく思
っております。これもひとえに、長年にわたり海と向き合い、海を
守りながら漁業を続けてきた先人の努力、そして日々海の恵みに感
謝しながら操業している漁業者の積み重ねの成果であると感じてお
ります。
この海は、私たちにとって単なる漁場ではなく、暮らしを支え、次
の世代へ受け継ぐ大切な宝です。豊かな干潟や穏やかな内海の環境
は、多くの生き物を育み、私たちが誇る牡蠣をはじめとする瀬戸内
の恵みを生み出してくれています。
今回の認定を励みに、これからも海の環境を守りながら、持続可能
な漁業に取り組み、この素晴らしい海を未来へとつないでまいりま
す。地域の皆さまや関係者の皆さまへの感謝とともに、海とともに
歩む漁師まちの誇りを胸に、より一層努力していく所存です。どう
ぞ今後とも温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。
― 邑久町漁業協同組合 代表理事組合長 松本正樹





このたび、邑久町漁協さまの取り組みが、日本最大級の海エリアとして「自然共生サイト」に認定されました。これは、漁業者の皆さまが長年にわたり献身的に続けてこられた環境保全活動の成果であり、瀬戸内海の豊かな恵みを守る取り組みが評価されたものです。
瀬戸内市として、この活動を未来に向けてさらに発展させるべく支援を続けてまいります。この取り組みが全国から注目される先進事例となり、多くの人々に共生の大切さを広げていけることを心から願っています。
― 瀬戸内市長 黒石健太郎






著しい海の変化の最前線にいる漁業者・漁協の皆さんの意識と行動が、その恩恵を受けている自治体や企業との連携を生み出し、長年現場で取り組まれてきた「里海づくり」がこの度自然共生サイト認定という形で広く認知されることを大変嬉しく思います。この取組が地域経済の活性化や担い手不足など地域課題解決の一助となることを心より願っています。同時にその実現には更なる協力が必要です。この活動価値に賛同し協働したいと考える企業などが更に増え、より一層ポジティブな循環が地域全体に生まれることを期待しています。
― 株式会社UMITO Partners 代表取締役 村上 春二



自然共生サイトとは
自然共生サイトとは、企業や地域、民間団体などの取り組みによって生物多様性の保全が図られている区域を国が認定する制度です。国立公園などの保護地域に加え、こうした地域主体の保全活動を可視化し、自然と人の共生を推進することを目的としています。
同制度は2030年までに陸と海の30%を保全する国際目標「30by30」の実現に向けた国内の取り組みの一つとして位置づけられています。
自然共生サイト登録の概要
登録名称:瀬戸内市邑久町 牡蠣の恵みと未来の海の維持・保全計画
計画期間:2026年3月~2031年3月
代表申請者:邑久町漁業協同組合
共同申請者:瀬戸内市/生活協同組合おかやまコープ/パルシステム生活協同組合連合会/株式会社マルト水産/株式会社UMITO Partners/株式会社ノースイ/三菱食品株式会社/卜部産業株式会社
実施区域:岡山県瀬戸内市邑久町漁業共同組合の区画漁業権全域
参考資料
??【岡山邑久かきMSC認証取得のSTORY】世界初、牡蠣の垂下式漁「MSC漁業認証」の舞台裏。異例の早さで認証取得を実現した邑久町漁協の「海を守り、地域を発展させる漁業」とは
https://umitopartners.com/stories/msc-okayama/
??岡山県邑久町牡蠣プロジェクト動画
https://www.youtube.com/watch?v=gkK-c-uMhjk&t=3s
会社情報
株式会社 UMITO Partners

UMITO Partnersは、ウミとヒトを持続可能な関係へとつなぎ直し、海をネイチャーポジティブへとシフトする海洋サステナビリティ・コンサルティング会社です。海洋サステナビリティ領域において、ブルーファイナンス支援、漁業改善および水産エコラベルの国際認証取得支援、海洋生態系の保全、サステナブルシーフードの企画・流通支援などを展開しています。
2023年には国内水産業界で初となるB Corp認証を取得。2024年には北海道マイワシ、2025年には東京湾スズキのサステナブル漁業プロジェクトにてグッドデザイン賞を受賞しました。さらに2025年には、「WIRED」日本版による「THE REGENERATIVE COMPANY」に選出されています。

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