
「新スタジアムの整備を推進する会」が現在、「岡山県に新スタジアムの整備を要望する署名」を呼びかけている。
同会は、ファジアーノ岡山サポーター有志、ファジアーノ岡山スポーツクラブ、岡山湯郷Belle、吉備国際大学Charme岡山高梁、岡山県サッカー協会、岡山県ラグビーフットボール協会、岡山アメリカンフットボール連盟から成り、岡山大学の那須保友学長が代表を務める。
サッカーJ1・ファジアーノ岡山は2009(平成21)年にJリーグに加盟。昨年のプレーオフでベガルタ仙台に勝利し、初めてJ1に昇格した。2025年シーズンは現在、11勝11敗6分勝ち点39の11位(9月9日現在)。ホームゲーム15試合は全てのチケットが完売した。
今年5月、チケット完売が続く中、ファジアーノ岡山のサポーター団体「GATE10UNION」が岡山県に対して新スタジアム建設の要望書を提出。8月には岡山県議会の防災・環境対策・スポーツ振興特別委員会で「サッカー競技場に関する調査(サッカー専用スタジアムについて)」が議題に取り上げられた。
ファジアーノ岡山が使う「JFE晴れの国スタジアム」はメインスタンド約8200人、バックスタンド約7400人の計1万5600人を収容できる。ただ、陸上競技場のトラックがあるため、サッカーグラウンド(ピッチ)までは距離があり、より距離が近く臨場感のあるサッカー専用スタジアムを求める声は以前からあった。
キャパシティー不足は以前から課題視されていた。2022年のモンテディオ山形とのプレーオフでは1万1000人以上が来場し、J1の2024年平均来場者数は約2万人であることから、J1に昇格すればキャパシティーを超えることは予想されていたという。試合当日の席が埋まる満員率は94%と2025年シーズンJ1で最も高いという。
6月からこれまでに集まった署名は27万筆以上。銀行やスーパーなど県内258カ所に署名ブース・署名回収ボックスを設け、祭りや街頭での署名活動は80カ所で行ってきた。昨年完成した、サンフレッチェ広島のサッカースタジアム「エディオンピースウィング広島」の署名運動では37万筆を集めたため、同会では、「一人でも多くの署名を集めたい」という。
同会によると、Jリーグの60チームのうち、チームなど民間企業が所有するスタジアムは4施設。残りは行政が主導して建設、所有しているという。集まった署名は、伊原木隆太岡山県知事と岡山県議会に、「岡山県に主体としてスタジアム建設を進めてもらいたい」という要望書と一緒に提出する。
同会事務局の渡邊健司さんは「署名を提出してから岡山県が検討してくれ、場所の選定、予算のめど、設計、施工を考えると少なくとも5年以上はかかる話。ファジアーノ岡山は、創業者の木村正明さんがサッカーチームのなかった岡山に、理念である「子どもたちに夢を!」をかなえるために創業した。チームは最高峰リーグに上がったが、見たくても見られないという課題を乗り越えるために署名を最後まで集めていきたい」と話す。
署名活動は9月末まで行う。専用サイトでオンライン署名もできる。