建築を学ぶ学生のための集い場「岡山TONKAN(トンカン)」(岡山市北区奉還町2)がオープンして、1月6日で1カ月がたった。
建築を学ぶ学生のための集い場「岡山TONKAN(トンカン)」の室内
同施設は、建築・理系学生の採用サービスを運営する「キャリア・ナビゲーション」(東京都文京区)が全国で展開している建築学生のためのコワーキング・交流拠点。2020年に東京で始まり、現在は、北は札幌から南は福岡まで、最新の岡山を含めて14拠点がある。物件探しから設計・施工、オープン後の運営までを地域の学生が行い、学んだ知識を実践で生かす場として活用されている。
岡山では、岡山大学や岡山理科大学などで建築を専攻する学生たちがSNSで同プロジェクトを知り、自ら同社へ問い合わせたことから始まった。昨年2月、中心メンバーが各校の友人や後輩に声をかけ、実行委員会として約60人の学生が登録。5月には候補物件を探すため、岡山市、倉敷市、総社市で物件を調べたほか、岡山市内ではまち歩きも行った。商店街のにぎわいとスペースの広さが決め手となり、現在の物件に決めたと言う。
8月には設計コンペを実施し、5人の学生が案をプレゼンテーションした。審査員に建築家の米澤隆さんらを迎え、学生による投票も経て、岡山理科大学4年・高橋遼さんの、桃太郎をコンセプトにした作品が選ばれた。地域住民や学生など世代を超えた交流を楽しむ「犬(忠誠)」、勉強や制作を通して学びを深める「猿(知恵)」、ステージでの成果発表など新たな一歩を踏み出す「雉(勇気)」、学生自身や地域が持つ課題と向き合う「鬼(問題)」など、登場キャラクターをイメージした空間にした。
9月に施工を始め、近隣の工務店の力を借りながら学生が中心となり、オープン前日まで作業を進めた。今年から代表を務める岡山理科大学2年の太城瑞希さんは「建築を学んでいるが、実際に施工するのは初めてだった。自分たちで壁を立てられることに驚き、予算内で形にする難しさを知った」と振り返る。
昨年12月に開いたオープニングパーティーには、建築学生約80人に加え、建築学科の講師や同商店街の商店主、地域の親子連れなど約260人が参加。同社社長の長嶋哲夫さんや他拠点の運営メンバーも駆け付けた。立ち上げメンバーによるあいさつのほか、施設紹介、学生バンドの演奏などを行った。
館内には、模型制作や製図を行う机のほか、作品を展示するスペース、建築に関する本を並べる本棚などを設ける。無料のドリンクコーナーや、建築学生にはA1サイズまで印刷できる大判プリンターが利用できるほか、模型材料の割安販売も行う。
太城さんは「現在は、岡山大学、岡山理科大学、香川大学、呉工業高等専門学校などの学生約30人が運営メンバーとして活動している。学外での実践的な取り組みの中で、高め合う場にしていきたい」と話す。
営業時間は、月曜・水曜・金曜=16時~21時30分、日曜=13時~18時30分。利用料金は、建築学生・中高生=200円、大学生以上=500円。