台湾のドキュメンタリー映画「島から島へ」の上映会が3月2日、ノートルダム清心女子大学(岡山市北区伊福町)で開かれた。
台湾のドキュメンタリー映画「島から島へ」の上映会後のアフタートークの様子
同作品は、マレーシア出身の廖克發(ラウ・ケクファット)監督が、マレーシアやシンガポールに旧日本軍に動員された台湾人兵について、東南アジアの各国へ家族の手紙、日記、口述などから「加害」と「被害」の戦争の記憶を描いた4時間50分のドキュメンタリー作品。2024年、台北金馬奨で最優秀ドキュメンタリー賞と台北映画賞で最優秀映画賞、最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。
上映会は、同大国際文化学部で華僑・華人研究を行う八尾祥平教授が主催。昨年、早稲田大学や上智大学、法政大学でも上映会が開かれたが、1部・2部の上映後に、共同研究を行う神奈川大学アジア研究センター客員研究員の持田洋平さん、外国語学部の村井寛志教授、岡山大学大学院兼任講師の世良利和さんが登壇してアフタートークを行った。
アフタートークでは、「戦争の記憶として、経験者にしか分からないといわれるアンビバレントで二項対立ではない事象を、家族の視点で語られた証言を歴史資料としてどう記録していくか」「残酷で生臭い戦争を次世代へ継承することの意義」「若い世代は戦争をどう受け止めるか」などの議論があったという。
八尾教授は「証言には主観が含まれるが、自由に語られたものだが、規制されず上映会を開き、議論できること自体が、社会の民主化の成熟度を示す。戦争は過去の出来事ではなく、現在起きている問題でもある。目をそらさず過去の記憶とつながり、現在を考えるきっかけにしてほしい」と話した。