岡山のジーンズ専門ウェブマガジン「EVERY DENIM」が9月11日、黒ベンガラ染めのジーンズを販売するプロジェクトを始めた。
同サイトは昨年12月より配信しており、「国産ジーンズの生みの親ビッグジョン」「気仙沼のオイカワデニム」「世界初デニムジーンズ科を立ち上げた中国デザイン専門学校」など、デニム・ジーンズに関わるあまり知られていないトピックスを提供してきた。
同プロジェクトは現役大学生の島田舜介さんと兄の耀平さんを中心に行われている。ジーンズの生産現場に足を運ぶうち、職人の技術があまり生かされていないこと、職人たちが履いてほしいと思うものを作れていないことを「悔しく思った」という島田さんが同プロジェクトを考えついた。
職人が作りたいジーンズのサンプルをウェブ上で紹介し、受注生産する。今回のジーンズは、世界で初めて「黒ベンガラ」で染めたジーンズを販売する。吹屋ふるさと村(高梁市成羽町)の天然黒ベンガラを使っている。黒ベンガラは粒子がとても大きく、染技術が非常に高い職人でないと染めることができないといわれる。生地は吉河織物(井原市)の「超長綿(ちょうちょうめん)」を使用し、なめらかでゴワゴワしにくいためタイトで動きやすいシルエットの美しいジーンズとなっている。
「ものづくりの現場を少しでも知ってもらい、背景の見えるジーンズを履いてほしい。永久保証制度も取り入れている。気に入ったものを長く使ってほしい」と島田さんは語る。試着会展示会が岡山・倉敷のゲストハウスで行われる。「職人さんから直接、お客さまへ届けることで大幅コストカットができることも大きなメリット」とも。
2016年からはラインアップを増やし、オンラインストアで販売していく予定。同プロジェクトはクラウドファンディングで行っている。ジーンズ一着=2万2,000円。