「ミイラづくりの香りワークショップ」が9月26日、新見のカフェ「toitoitoi(トイトイトイ)」(新見市高尾)で開かれる。
昨年7月、岡山市立オリエント美術館(岡山市北区天神町)で開館40周年特別展「ミイラと神々」が開催された。「見えない世界を見る」をテーマに、独ベルリン自由大学の研究者、ドーラ・ゴールドスミスさんの文献を元に、ミイラを作る時に用いる香り2種とメソポタミア王家の香りを展示した。今回のワークショップでは、この香りのうち2種類を再現する。
主催する白石須万子さんは2013(平成25)年に新見市へ移住し、昨年、蒸留ラボ「Laboratory Panacea(パナケア)」を設立、フリーランスアロマ薬剤師と活動している。新見で伐採時に倒されてしまうヒノキやスギ、クロモジやネズミサシなどから精油を作り、香りの地産地消に取り組んでいる。
1種目は、「神の香り」とも呼ばれる「sTin Tr(スティネル)」を作る。和名「没薬(もつやく)」といわれるミルラは、ミイラの語源だともされていれる。アカシア、フランキンセンス、パインなど約15種類を混ぜ合わせ、グレープシードオイルで練り上げる。
2種目は、古代エジプトで死者に捧げられた花束の香り「anx(アンク)」。生命を意味する「Ankh(アンク)」と音が似ていることから、生命のシンボルとして、新鮮な花やハーブなどが使われた。ブルーロータス、ナナミント、イチジクの葉など12種類を使って作る。
レシピには分量と効用を記載しているが、自分で少しずつ足してオリジナルの配合で作ることができる。白石さんは「来世に託して死んでいったミイラの香り作りを通して、古代の見えない世界を感じてほしい。日本には無い材料もあり、多くの方の協力があり、香り作りができることに感謝している」と話す。
開催時間は10時~12時30分。参加費は3,500円(要ワンドリンクオーダー)。