岡山城や後楽園に隣接し戦災を免れた古い建物が多く残る出石(いずし)町をユーモアあふれるイラストで紹介する「いずし散策図(さんさくマップ)」が現在、配布されてる。
明治・大正・昭和の建物が混在し、レトロな街並みを残す同地域を「楽しく、まち歩きしてほしい」という目的で、路地裏に隠されたスポットなどをイラストで紹介している。おかやま観光コンベンション協会が管理する観光案内所「出石しろまち工房」(岡山市北区出石町1)が製作。イラストやデザインは同町内の「アートスペース油亀」店主、柏戸喜貴さんとスタッフらが担当、スポットを取り上げる作業は就実大学の学生たちが行った。
マップは「出石しろまち工房」に置かれている「いずしおみくじ」(無料)と連動しており、引いたおみくじにはメッセージとともにおすすめスポットやエピソードなども書かれている。米国で活躍した同町出身の「国吉康雄記念碑」や、日本家屋の正面だけを洋風にしつらえた「看板建築」と呼ばれる様式の「ランドマークビル」、かつての「火の見櫓(やぐら)」、屋外に置かれている「謎の体重計」、上部がふさがれてしまった「登れない階段」、油をかけるとご利益のある「油掛大黒天」など。普通に歩いているだけでは知り得ないもの、見落としてしまいがちな不思議なものなどを紹介。マップを頼りに実際に、それぞれの場所へ行くことができる。
出石しろまち工房スタッフの西森千尋(ちひろ)さんは「昔から住んでいる元気な人の多い地域。知らなければ入って行かない路地裏にも魅力がたくさん。おみくじやマップをもとに出石町を歩いて楽しんでほしい」と話す。
初回は6000部を印刷。「出石しろまち工房」ほか、かいわいの店をはじめ、JR岡山駅地下の「ももたろう観光センター」「岡山城」「岡山後楽園」などでも配布している。