岡山天文博物館(浅口市)が現在、60周年記念誌作成に当たり掲載する「思い出エピソード・写真」を募集している。
1960(昭和35)年11月1日、隣接する国立天文台ハワイ観測所岡山分室(旧岡山天体物理観測所)とほぼ同時に開館した同館は昨年、開館60周年を迎えた。岡山分室には現在、国内最大級の188センチ反射望遠鏡が設置されている。2018(平成30)年には、岡山天文博物館の隣接地に3.8メートル望遠鏡「せいめい」を備える京都大学岡山天文台が完成した。
60周年記念誌には、開館から現在までの思い出エピソード4点、思い出写真を8点選び、掲載する。このほか、歴代館長などゆかりのある人が同館の歴史などを語る寄稿文の掲載を予定している。
同館学芸員の松岡友和さんは「以前は県内外から小学生がバスで来館していたと聞く。1969(昭和44)年にはアポロ11号が人類初の月面に到着し、1986(昭和61)年にはハレー彗星が通過した。子どものころを思い返して応募してほしい」と話す。
同館は1989(平成元)年4月、所有が岡山県などから鴨方町(現浅口市)に移管し、同年8月に天体観測室、1990(平成2)年にプラネタリウムが設置された。
館内には現在、開館時に作られた国立天文台の188センチ反射望遠鏡の模型や、1962(昭和37)年の「第17回国民体育大会」と2005(平成17)年の「第60回晴れの国おかやま国体」の際、聖火を採ったシュミット望遠鏡なども展示している。
松岡さんは「星出彰彦さんや野口聡一さんなど、日本人宇宙飛行士が多く誕生したことや、日本の小惑星探査機『はやぶさ』や『はやぶさ2』の帰還など、60年間で宇宙はより身近になった。当館に子どものころに訪れた人で、現在天文に関わる職種に就いている人がいると大変うれしい。2019(平成31)年4月には本間希樹さんによって、ブラックホールが初めて写真撮影された。今後も天文に関わる情報発信をしていきたい」と話す。
応募締め切りは10月10日。