「ラム肉バル結」(岡山市北区田町)が9月1日、ラムラーメンの提供を始めた。
同店は2016(平成28)年11月にオープン。同店店主の田中小矢佳さんは、硬くて匂いのある羊肉をあまり好きではなかったという。東京・新橋で国産羊肉を食べたことをきっかけに、全国の羊肉を提供している店約300店を回るほど好きになったと振り返る。
農林水産省の調べによると国内には2018(平成30)年、オーストラリアとニュージーランドから約2万トンの羊肉が輸入されている一方で、国内産は国内流通量の0.6パーセントの140トン。田中さんによると輸入羊肉は店に届くまでに2週間以上かかり鮮度が落ちてしまうことがあるという。
出身地の岡山へ戻った田中さんは、国産羊肉を提供する同店を開くため、レンターカーで北海道・東北の羊農場を交渉して回ったという。
同店でラーメンを提供するのは初めてで、麺を調達している「冨士麺ず工房」(岡山市北区下伊福本町)やイタリアンのシェフなどからアドバイスをもらいながら、今年6月ごろからラムラーメン の開発に試行錯誤してきた。店長の小林幸平さんは「ベーススープを取る羊骨は1頭から重さ約15キロしか取れないので、一度にたくさんの提供は難しい」と話す。
ラムとは、生後1年未満の仔羊を指す。ラムラーメンは、羊骨のベーススープに愛知県産の白しょうゆを入れた塩ラーメン。麺は、幅3ミリの平打ちで多加水麺を使う。ラーメンに乗せるのは、焼豚に代えラム肉のバラ・ショルダー・ロースなどを使った「ラムチャーシュー」、細切れラム肉、黄ニラ大使・植田輝義さんが作る岡山県産パクチー、結ファーム(赤磐市)の白いキクラゲ、セミドライトマト、味付け煮卵、白髪ネギ。価格は1,000円。
テーブルには、ガラムマサラやクミン、サンショウなど16種類の香辛料を使ったスパイスを用意している。小林さんは「甘めのスープに優しい味わいの塩ラーメンの味に変化をつけたいときに使ってほしい。パンチの効いた違う味を楽しんでもらえる」と話す。
田中さんは「ラーメンを提供するのは初めてだったが、ラムのおいしさをどう伝えるかを多くの人に相談しながら作ることができた。国産の羊のおいしさを知ってもらいたい」と意気込む。
同店では、富士山溶岩プレートで焼く羊肉、ソーセージ、ラムのたたき、レバ刺し、季節限定のラムしゃぶも提供する。テークアウトでは、ラムチョップ(1,296円)、ソーセージ(1,080円)、国産ラム肉(3,240円)、海外産ラム肉(2,160円)も販売する。
営業時間は、平日=11時30分~14時。土曜=11時30分~14時、17時~19時30分。日曜定休。