障がい児の利用にも対応した美容室「Tsumiki(ツミキ)本店」(岡山市北区下伊福本町)が1月11日、オープンした。
美容室「Tsumiki(ツミキ)本店」に併設したプレイコーナー
理容室・美容室の店舗設計・工事などを手掛ける企業「トライエンゴ」(倉敷市藤戸町)社長の三宅亮輔さんが、障がいのある子どもを持つ親の会「チーム21おかやま ゆるっとオフ会」を主宰する津﨑あきほさんと構想し、開設した。津﨑さんはダウン症の子どもを持つ母でもあり、夫婦で営むデザイン会社「アクアプラスデザイン」(岡山市北区撫川)で美容室の店舗デザインを三宅さんと手掛けたこともある。
三宅さんは「子どもを連れて美容室に行けない、障がいのある子どもをカットしてくれる美容室がない、車いすでいける美容室が少ないなどの声を聞き自らオープンすることにした。これまでは個別に美容師が対応することが多かったが、特化した美容室を作ることにした」と話す。
店内は、子どもと一緒に入れる防音設備のある個室(ファミリールーム)2部屋、車椅子でも入れる開放感のあるカットスペースに4席を備える。ドライヤーやバリカンはなるべく音の小さい物を使い、ハサミもなるべくカチカチと音がしない物を使う。
子どもの不安を少しでも取り除くために、カットの流れなどは視覚支援カードを使って説明する。津﨑さんが自宅で子どもとコミュニケーション手段として使っているカードを美容室でも使えるよう作り直したという。美容師はダウン症の子どもを持つ母親と、介護福祉士の資格も持ったスタッフの2人。車いすから洗髪台への移動も介助する。
子どものカット料金は、シャンプー・ブロー込みで4,000円。対象は20歳まで。大人のカット料金は、シャンプー・ブロー込みで4,500円。パーマやカラー、トリートメントなどのメニューもある。
店内の半分はカフェコーナーで、子どもが自由に遊べるスペースも設置する。年齢の小さな子どもは、場所慣れしないと泣いてしまうこともあるという。カットしない日にも立ち寄ってもらい、遊べる楽しい場所でカットもできるという場所を目指しているという。
現在、クラウドファンディングでカフェスペースの改装資金支援者を募集している。床や壁にクッションフロアを貼り、どんな子どもも安心して遊べるスペースを作る。モニターを設置して、子どもが見たいアニメの上映だけでなく、子育てや福祉に関わる情報などを提供するデジタルサイネージとしても活用する予定。
津﨑さんは「子どもの髪の毛のカットは大変な思いをしている人が多いはず。子どもは髪の毛を触られるだけでも嫌な思いをする子もいる。子どもにも、親にもストレスの少ない美容室が全国にできていくことを望んでいる」と話す。
営業時間は10時~16時。クラウドファンディング募集は1月15日まで。