「備中たかはし町家通りの雛(ひな)まつり」が現在、高梁市の本町通りなどで開かれている。
備中松山城の城下町として栄え、幕末の偉人・山田方谷を輩出した高梁には、武家屋敷と商家が残っている。本町通りには、高瀬舟の船主やしょうゆ製造の商家・池上邸が残るなど、歴史的町並み保存地区となっている。
同イベントは今回で15回目。前回と前々回は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった。約70軒の民家や商店がひな人形を飾ってきたが、実行委員会によると自由参加とした今年は開催初日の3月25日から少しずつ増え、現在20軒以上が参加している。
展示されているひな人形で最も古いのは江戸時代後期。最も大きなひな壇は高さ約2メートルの7段飾り。1940(昭和15)年~1955(昭和30)年ごろによく作られたとされる御殿と呼ばれる建物を配したひな壇や、高梁保育園の園児が作ったひな人形も見ることができる。岡山県内から飾らなくなったひな人形を寄贈してくれる人も増えたという。
実行委員で地域おこし協力隊の矢動丸祐子さんは「町の人は毎年趣向を凝らし、もてなそうと手作りのひな人形も数多く飾っている。釣りやオセロをしているひな人形、琴を囲んでコンサート会場を模した配置など、飾る人も見る人も楽しんでいる」と話す。
4月3日には、本町通りを歩行者天国として「町なみバザール」を開き、飲食ブースやハンドメイド雑貨などを販売する。ひな人形を製造する「喜峯」(高梁市本町)はひな人形に使われる生地・金欄で作ったマスクやふくさを販売する。
「ひな人形は結婚式の様子だと教えてもらった。以前は男びなと女びなの位置が逆だったこと、向かって左にタチバナ右に桜の配置が京都御所の内宮を模していること、以前は子どもが手に持って遊んでいたことなど、知ると面白いことがたくさんある。本町通りのほかでも玄関先に飾る民家もあり、町散策をしながら楽しんでほしい」と話す。
町なみバザールの開催時間は10時~14時。展示期間は4月3日まで。