多文化交流がテーマの「The World Kitchen2022」が11月12日、石山公園(岡山市北区石関町)で開催される。
同イベントは、2014(平成26)年に旧城下町エリアのにぎわい創出を目指す岡山市の社会実験として初めて行われた。当時はNPOや岡山神社の宮司などが中心となり、翌年にも第2回を開いた。
今回は、岡山大学GDP(グローバルディスカバリープログラム)の学生10人らが中心となり、実行委員会を運営する。同プログラムは、2017(平成27)年に新設。1学年約60人のうち半数が留学生を占め、全ての授業は英語で行い、プレゼンテーションやディスカッションを中心としている。実行委員会メンバーは1人のマレーシア出身者を除き、全員が日本出身の1年生が務める。当日は、実行委員会とは別に同プログラムの学生たちがサポートとして参加する。
学内での多様性を強く感じた実行委員長の岡田栞那(かんな)さんらは、「食」を通して多文化の人と出会う機会創出を目的として準備を進めてきた。岡田さんは「大学でロシアとミャンマー出身の友人ができたことで、ニュースで見ていたことが自分事として考えられるようになった経験がある。目の前の友人のことであれば、親身になれるし考えを聞き入れ深められると感じた」と話す。
当日は、日本を含む11カ国の料理を提供する。主に岡山市内にある料理店に一軒ずつ出向き、趣旨を説明して出店してもらうことになったという。
トルコ料理店「アリババ」、インド料理店「タンドールバル&カフェ」、韓国料理店「ダイニング虎門(コモン)」、モンゴル料理店「青空アイル」、ブラジル料理店「Saborosa(サボロサ)」、メキシコ料理店「El Mariachi(エルマリアッチ)」のほか、キッチンカーの台湾料理店「台湾飯」とアメリカ料理として「BURGER BOX BAM(バーガーボックスバム)」が参加する。
このほかにフィリピン料理を「OKAYAMA KURASHIKI PHILIPINO CIRCLE(オカヤマ・クラシキフィリピーノサークル)」が、日本料理として岡山高校(南区箕島)が、カキ殻を肥料に使い育てた米で、廃棄される食材を使って缶詰作りなどをする「コノヒトカン」(倉敷市)の具材を入れたおにぎりを、それぞれ提供する。
当日は、交流ワークショップを行う。ワークシートに自分の出身国と自己紹介を書き込み、参加している留学生や岡山大学GDPの学生などに話しかけ、3カ国以上の人にコメントをもらうと、同イベント公式キャラクターアンクルアース君のステッカーを進呈する。
同委員会・広報担当の松島可歩さんは「気軽に食事を楽しみに来てほしい。一緒にご飯を食べることが理解の一歩につながることを私自身が感じている。この輪を岡山の街に広げていきたい」と意気込む。
開催時間は10時30分~15時30分。