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国立療養所「長島愛生園」のカフェで個展 風景・植物のスケッチなど

「長島の植物と風景」アーティストの樋口真規さん

「長島の植物と風景」アーティストの樋口真規さん

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 アーティスト樋口真規さんの個展「長島の植物と風景」が現在、「喫茶さざなみハウス」(瀬戸市邑久町)で行われている。

収容所「回春寮」浴室床のフロッタージュ

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 樋口さんは大阪芸術大学卒業後、2015(平成27)年に大阪から赤磐市へ移住。2022年に瀬戸内市牛窓へ移り住む。植物や風景のスケッチを元にアート作品や商品パッケージのデザインなどを手がける。植物をスケッチするワークショップ「スケッチさんの植物画教室」や、街を歩きながら壁や床などの凹凸に紙を当て鉛筆などで写しとるフロッタージュのワークショップなども開いている。

 喫茶さざなみハウスは、国立療養所「長島愛生園(あいせいえん)」に2019年にオープンした。長島愛生園は1930(昭和5)年に開所し、ハンセン病患者の隔離政策などの歴史がある。同店ではランチやコーヒーを提供するほか、1931(昭和6)年から刊行している、入所者の日常をつづった「愛生」を読む会や、アーティストの滞在制作・展示なども行っている。

 同展では、樋口さんが2022年9月~11月に長島を訪れて描き写した、島の風景と木の葉・枝・つぼみなどのスケッチやフロッタージュ作品など約30点を展示する。作品は、昭和20年代に看護師が持ち込んだといわれる木「泰山木(たいざんぼく)」のつぼみのスケッチと樹皮のフロッタージュのほか、1930(昭和5)年に建てられた収容所「回春寮」の、全身消毒を行っていた浴室床のフロッタージュも展示する。

 樋口さんは「長島の人たちの生活が出版物や資料館に細かく残されていることに驚いた。実際にその場所に行き、現在の長島を描いた。特にフロッタージュは対象に触れながら描くため、温度や硬さ、匂いまで感じられ、細かな傷も描き写せる。作品を通して、長島に興味を持ってもらえれば」と話す。

 営業時間は8時~16時。月・火曜定休。1月29日まで。

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