中高生の放課後スペース「INBase(インベース)」(備前市伊部)が備前市の「ご近所図書館」に認定されて3月で半年がたつ。
備前市は、「備前市海の見える図書館(仮称)整備基本計画」を立ち上げ、備前市市民センター(西片上)隣地のパチンコ店跡に新図書館の建設を予定する。現在の備前市立図書館のスペースが狭いことや3階にあり利用しづらいこと、DX化ができてないことなどから、2017(平成29)年ごろから新図書館の計画を検討し始めた。
現在の図書館の1人当たりの年間・貸出冊数は2.2冊(2021年度)と県内で最も少ない。図書館プロジェクト推進課では「まちじゅうどこでも図書館」と名付け、備前市立図書館、日生(ひなせ)分館、吉永分館と8つの公民館・図書コーナーの公共施設だけでなく、飲食店など現在9カ所を「ご近所図書館」または「おうち文庫」に認定して、図書館文化の向上を図っている。
インベースは2021年10月、JR伊部(いんべ)駅南出口にある旧「伊部駅南ふるさと交流センター」にオープンした。オープン時、中学生と共に作った正方形の箱型の本棚を壁一面に設置し、箱ごとにオーナーの違う「一箱本棚オーナー制度」を導入した。同制度は「みんなの図書館さんかく」(静岡県焼津市)で始まり、岡山では初めての設置となる。
一箱本棚は、吉村武司備前市長や絵本セラピストなどがオーナーになっている。同施設の初代館長・守谷克文さんの本棚は、自らも好きなSF作家の星新一の著作を多くそろえている。
同施設には1日平均20人の小中高生が訪れる。本の他にゲームや駄菓子店などを用意。不定期に児童・生徒らが考えた企画を形にしている。
守谷さんは「子どもたちが気軽に立ち寄れる場所作りをして、安心安全な場所があるからこそできるチャンレンジを増やしていきたい。本の利用はまだまだ少ないが、多様な価値観に触れられるチャンスとしたい。オーナーも募集している」と話す。
開館時間は14時~19時。土曜・日曜定休。