ドキュメンタリー映画「君の根は。大地再生にいどむ人びと」の上映会が9月3日、岡山県立図書館(岡山市北区丸の内2)で行われる。
環境学習などを行う「おかやまエコマインドネットワーク」が企画した。同団体は「地球温暖化防止」をテーマに、地域や学校での講座や岡山県が主催する環境イベントへの出展などを1999(平成11)年から行うほか、環境の変化やエコの取り組みを読み札にした「環境カルタ」、岡山に生息する動植物に関するクイズがマスに書いてある「環境すごろく」などの啓発ツールを開発してきた。
「食と農の安全」について考える活動も10年以上続けており、農薬・化学肥料・除草剤を一切使用せず完全露地栽培で野菜やハーブなどを生産する「ワッカファーム」(瀬戸内市邑久町)の野菜を試食する会や、食品ロスに関する映画の上映会などを行なってきた。
上映作品では、土壌改善と地球温暖化抑制の効果が期待されている「リジェネラティブ農業」の実践者を紹介。リジェネラティブ農業とは、「土を耕さない」「土地を肥やすために農産物を生産しない」「休閑期に豆や穀物などの被覆作物で土の表面を覆う」「化学的な肥料と農薬を劇的に減らす」「工場式牧畜をやめ家畜を放牧する」などの方法で、地球温暖化の原因になる二酸化炭素が土壌から放出されることを防ぐ農業のこと。化学肥料・農薬・遺伝子組み換えの使用をやめ、大地の再生を最優先にする農業へと転換を遂げたアメリカの農場や、野生動物の保護と農・牧畜業の両立を成し遂げたアフリカの牧場などが作品に登場する。
上映会後は、農薬・化学肥料・動物性堆肥を使わない農業を実践する「ひなたファーム」の日向健太さんの話会を予定している。日向さんは、落葉や枯草からできた自然堆肥のみを使い、自ら採取した種を使う「秀明自然農法」で父親の代から、米や大豆、野菜などを生産しているという。
同団体理事の赤井藤子さんは「世の中を不安に感じている人、何か自分ができることはないかと考えている人に、行動を起こすために背中を押してくれる映画。できることから始めてほしい」と話す。
10時上映開始。入場無料。