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岡山・渋川海岸で車いすユーザーもカヌー パラサーフィン選手が企画

パラサーフィン選手の藤原智貴さん

パラサーフィン選手の藤原智貴さん

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 「渋川インクルーシブ・ビーチフェス2023」を9月24日、渋川海水浴場(玉野市渋川)で開かれた。主催は渋川ユニバーサルビーチプロジェクト。

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 団体の代表はパラサーフィン選手の藤原智貴さん。25歳でサーフィンを始め、34歳の時にサーフィン中の事故で胸の半分から下と手首から先が不自由となった。国際サーフィン連盟ワールド・パラサーフィンチャンピオンシップに2017(平成29)年に初出場。これまで4度出場し、2022年に3位入賞した。9月3日、初開催となった全日本選手権では優勝を果たした。

 藤原さんはパラサーフィンの大会でアメリカに訪れた時、日常生活だけでなく海においても車いすユーザーに対する制度、人の気持ちの差を感じたという。藤原さんは「車いすユーザーは、特に海には縁遠い。支援学校で講演した時、中高生のほとんどが海に行ったことがなかった。だが全員が「海に行きたい」と答えた。最もなじみのある渋川は、昔に比べると遊歩道もでき美しくなった。しかしながら、段差があって浜に下りることもできなかった。ここから変えていきたいと思いプロジェクトを始めた」と話す。

 コロナ禍前の2018(平成30)年から計画し、昨年、第1回を開催した。浜には車いす、ベビーカー、高齢者など通りやすいビーチマットを敷き、海水の近くまで行くことができる。サーフショップ「Mellow SURF(メローサーフ)」(倉敷市茶屋町)や「Sunrise Canoe Club(サンライズカヌークラブ)」、「ムラサキスポーツ」(東京都台東区)の協力で、SUPやカヌー体験を開催した。

 当日は約30人が参加。車いすユーザーになって初めて海に来た人や、子どもと一緒に海に来られると思っていなかったと話す家族もいたという。

 藤原さんは「日本では、車いすユーザーが安心して行ける場所が少ない。子育て中の人や高齢者も同じだと思う。健常者との接点が少なく、互いの理解が進んでいない。接点が増え、共に暮らせる社会になることが良い地域になると思う。継続して活動していくために仲間を増やしていきたい」と話す。

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