3月3日のひな祭りに合わせて、江戸時代後期から昭和に作られたひな人形が現在、岡山城(岡山市北区丸の内2)で展示されている。
岡山城では3月1日から3日間、「烏(う)城ひなまつり」を開催。期間中、小学生以下の女児が着物を着て撮影できる「子どもおひなさま体験」、ひなあられの振る舞い、茶会、生け花、ひな人形の絵付け、折り紙アーティスト・剣持彰宏さんによるワークショップなどを開く。同展示は「烏城ひなまつり」として、2月19日から「城主の間」で行われている。
展示するひな人形は、市民によって寄贈された5組。高さが40センチ以上の人形は江戸時代、御殿の中に収まる人形は昭和30年代までに作られたと見られる。学芸員の原田莉沙子さんは「江戸時代中期には大きなひな人形が流行したが、幕府の倹約令によりサイズが小さくなった。その後、江戸後期から昭和にかけては、京都御所の紫宸殿(ししんでん)をモチーフにした御殿飾りが流行した。時代による違いを楽しんでほしい」と話す。
「7代目城主・池田継政(つぐまさ)が描いたひな人形の絵画を参考にお内裏様を右、おひなさまを左にした。岡山城では戦が行われた記録はなく、城内でも特に穏やかな時間が流れていたのではないかと想像される。寄贈してくれた岡山城を愛する人のおかげで見ることができるひな人形を楽しんでほしい」とも。
天守への入場時間は9時~17時30分。入場料は、大人=400円、小中学生=100円、未就学児無料。3月22日まで。