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岡山城で「源氏物語」にまつわる展示 場面を描いたびょうぶ絵など

岡山城の学芸員・原田莉沙子さん

岡山城の学芸員・原田莉沙子さん

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 特別展示「広がる源氏の世界~末の世長き音に伝へなむ~」が現在、岡山城天守閣(岡山市北区丸の内2)で開かれている。

特別展示「広がる源氏の世界~末の世長き音に伝へなむ~」

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 同展は、「書写する」「香る」「演じる」「描く」の4つのカテゴリーで、「源氏物語」を発端とした岡山ゆかりの所蔵品を展示する。

 「書写する」では、100万文字と言われる大長編「源氏物語」を室町時代に書き写した「三条西実隆古筆切『絵合』」、江戸時代に一番読まれたといわれる北村季吟著作の注釈書「湖月抄」を展示している。

 「香る」では、「源氏物語」になぞらえて楽しまれた遊びから生まれた組香「源氏香」の5本線の模様を展示。5つの香りを一つずつ嗅ぎ、その組み合わせを当てる遊びで、5本の縦線に横棒で回答し模様を完成させる。14年間で38編が出版されたパロディー作品「偐(にせ)紫田舎源氏」の裏表紙として、この模様が広まったことや、「桐壺(きりつぼ)」「夕顔」など「源氏物語」の巻ごとに生花で表現した図案集「専敬流活花源氏之図」などを展示する。

 「演じる」では、林原美術館所蔵の2点を展示。縦60センチ、横30センチほどの絵師・土佐光起が描いた「百人一首手鑑(かがみ)」には、和泉式部、紫式部などの姿と和歌が描かれている。岡山城6代城主・池田綱政が徳川綱吉に、「源氏物語」の六条御息所を主人公とした演目「野宮」を演じたという。この時の能面は、林原美術館で13日に始まる「大名家に伝わる能楽」で展示する。

 「描く」では、「源氏物語」を描いた六曲一双のびょうぶを展示。現在は岡山シティミュージアムの所蔵だが、以前は岡山城で所蔵していたという。左隻には「帚木」「紅葉賀」「賢木」「空蝉」「葵」「若紫」が描かれ、右隻には「末摘花」「桐壺」「夕顔」「花宴」「須磨」「花散里」が描かれている。

 学芸員の原田莉沙子さんは「一人では持ち上げられないほどの百人一首手鑑は圧巻。紫式部の衣装の柄にも注目してほしい。源氏絵は表現が固定化されているといわれているが、同展のびょうぶ絵は、夕顔の持つ扇子に夕顔の花が載っていないなど、独自の表現も見られて興味深い。源氏物語の詳しさに関係なく、楽しんでもらえる工夫を施した」と話す。

 期間中、天理大学の原豊二教授の講演会「池田光政の文芸圏」(4月13日)、和菓子店「松涛園」の同展オリジナル和菓子を用意するイベント「お抹茶とお菓子を楽しみましょう」(5月18日)、岡山大学邦楽部の箏(こと)の演奏会「岡山城の調べ」(同)、仏具店「三香堂」の森脇亮介さんが講師となりオリジナルの匂い袋を作るワークショップ「匂い袋をつくろう」(6月8日・9日)などを開く。

 開館時間は9時~17時30分。入館料は、大人=400円、小中学生=100円。6月16日まで。

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