岡山の「吉備人(きびと)出版」(岡山市北区丸の内2)が30周年を記念して、一般から作品を募る公募企画「ほんとまち大賞」を行う。
同賞は15周年、20周年、25周年にも開催し、各回の最優秀賞は同社から書籍化。これまで、大阪市西成区で結成された「英田上山棚田団」が、美作市上山の千枚田の再生に取り組む3年間の活動記録「愛だ!上山棚田団~限界集落なんて言わせない!」、服飾デザイナーの間野菜々江さんが商品についてつづったSNS投稿74編をまとめたフォトエッセー「夜中にミシンを踏みながら」、日本野鳥の会岡山県支部が開く探鳥会の案内役を担当してきた小林健三さんによる野鳥162種の解説とフォトエッセー「鳥好きの独り言」を出版した。
商業出版が初めての人が対象で、自分史、小説、随筆、詩、俳句、短歌、写真、絵本、歴史・自然研究などジャンルは問わず、未発表作品を募る。今回も優秀賞作品は2025年7月末、同社から出版する。
岡山県立図書館(同)で8月10日、同賞の「応募セミナー」を開く。当日は、原稿の書き方や応募方法などを伝えるほか、第2回の最優秀賞作品「夜中にミシンを踏みながら」を出版した間野さんが、出版までの経緯などを話す。同社社長の山川隆之さんは「岡山市などが公募する文学賞に応募する人のためにも、公募のためのテクニックも伝える」と話す。
山川さんは「公募でしか集まらない、これまでになかったテーマの作品に出合える。オリジナリティーのある内容や、地域性や共感力があり響く作品をこれまでも選んだ。最近はSNSの投稿を使って出版することもあるが、編集者と共に構成や文章のブラッシュアップをアドバイスする。作家と編集者が二人三脚で本作りができる土壌を作っていきたい」と話す。
開催時間は13時30分~15時30分。ほんとまち大賞の応募期間は8月20日~10月31日。受賞者発表は2025年1月20日を予定。