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備前国総社宮で「パクチー奉納祭」 猛暑の影響で初の冬開催に

岡山マイルドパクチーを栽培する農家の植田輝義さん

岡山マイルドパクチーを栽培する農家の植田輝義さん

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 「第9回OKAYAMAパクチー奉納祭」が12月6日、備前国総社宮(岡山市中区祇園)で開かれた。

植田輝義さんの育てる岡山マイルドパクチー

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 奉納したのは、黄色つなぎ姿で黄ニラを広報活動する黄ニラ農家の植田輝義さん。兵庫県生まれの植田さんは、1999(平成11)年に結婚を機に岡山に移住し、黄ニラ農家として就農した。2000(平成12)年にまだ生産者の少ないパクチーを栽培の提案を受けた植田さんを含む3軒の農家で作り始めた。

 同イベントは、2017(平成29)年にスタートして今回が9回目。これまでパクチーの語呂に合わせて8月9日に開催してきたが、近年の猛暑でパクチーの生育状況が悪いこと、真夏のイベント開催による参加者、出店者などの負担が大きいことから、本来パクチーの旬となる冬開催に変更した。

 奉納の儀で武部一宏宮司は「全国の食べ物がスーパーで買える便利になった時代だが、地域で育った食べ物を神社に奉納し、感謝と次の豊作を願う神事は、古くから神社で行われてきた原点といえる。西日本豪雨、コロナ禍、物価高と苦しいことはあっても、続けてこられたことに感謝をし、全ての作物を作る人の糧としてもらいたい」と話す。

 境内では、植田さんの岡山マイルドパクチー(通称=岡パク)やパクチー畑の蜂蜜を販売するほか、パクチービールなどを扱う「吉備土手下麦酒醸造所」、ベトナムフォーの「village chaya」、岡パクおにぎりや岡パク特製ダレを使ったユーリンチーなどを販売する「たいき堂」、岡パクのせ放題の薬膳ギョーザ「総社宮ブース」が出店し、にぎわいを見せた。

 植田さんは「栽培を始めて25年。少しずつ柔らかく食べやくなっていると思う。ただ年々、猛暑の影響で栽培環境は悪化している。ハウスや遮光材などを使って努力を続けているが、野菜栽培全般的に難しくなっている。県内30以上の飲食店、TWILIGHT EXPRESS瑞風内の食事にも岡パクを使ってもらえるようになり、北海道か宮古島まで全国からも問い合わせを頂けるようになってきた。しかしながら、岡山マイルドパクチーの認知度はまだまだで、スーパーなどには置いてもらえていない。だし巻き卵や根の素揚げなど家庭でも簡単に楽しんでもらえる。もっと身近な存在になれるように今後も栽培し続けたい」と話す。

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