学ぶ・知る

岡山・奉還町を舞台にした小説「トッピング」 著者「岡山だから書けた」

「トッピング」著者の川上健一(左)さんとフリーアナウンサーの森田恵子さん

「トッピング」著者の川上健一(左)さんとフリーアナウンサーの森田恵子さん

  •  

 岡山を舞台にした小説「トッピング 愛とウズラの卵とで~れえピザ」が11月26日、発行された。

小説「トッピング」に登場する岸本サイクル

 著者の川上健一さんは2001年、「翼はいつまでも」で第17回坪田譲治文学賞を受賞。2013年9月から7カ月間、山陽新聞で連載したものを書籍したもの。

[広告]

 青森県出身の川上さんは、授章式で初めて岡山を訪れた。司会を務めていたフリーアナウンサーの森田恵子さんに奉還町商店街を案内してもらったという。同商店街は坪田譲治ゆかりの場所でもあり、森田さんも小学生まで暮らしたなじみの場所でもあった。

 家族の物語を書きたいと考えていた川上さんは「話し掛けてくれる商店街の人たちは、子どもの頃から知っているような、つながりや関係を大事にしている雰囲気があった。岡山弁は理解できなかったが、とても心が温かくなった。その後、岡山弁を教わり、小説の舞台を奉還町商店街に決めた」と話す。

 小説には、倉敷美観地区は西大寺・はだか祭りなどの観光地だけでなく、同商店街内の店「映画の冒険」「イシイハット」「靴のトマト」「オテンテン」「アイドル」など実在する、もしくは実在していた店名も登場する。主人公が営む雑貨カフェ「セワーネ」は実在せず、店名は川上さんが一番好きな岡山弁のフレーズを付けた。「セワーネ」とは岡山弁で「大丈夫だよ」の意味。方言の持つ柔らかい音に、安心感を持ったという。

 川上さんは「岡山弁の温かい雰囲気、人の明るさ、『晴れの国おかやま』らしい心地よさなど、岡山を舞台にしたからこそ、乳がんの妻と生きる主人公という重いテーマでも書けたと思う」と話す。

 価格は1,700円。