全7回となるクルージング企画「日生(ひなせ)から長島愛生園へ ハンセン病の隔離の歴史をたどるクルージング」が5月11日に始まる。
1930(昭和5)年、瀬戸内海国立公園にある長島に日本初の国立療養所が作られ、ハンセン病患者からの感染を恐れて隔離。1945(昭和20)年に特効薬プロミンができた後、1996年の「らい予防法」廃止まで隔離政策は続けられた。
同クルージングは今年で4年目となる。以前は島内のバスツアーを行っていた。日生駅前の乗船場を出発し、虫明港まで約1時間のクルージング。夏は日差しが強いため海の中まで透き通って見えるという。バスに乗り換え、邑久長島大橋を渡り、長島へ到着。設立時に建てられた「長島愛生園歴史館」の見学、船から島に上陸した時に使われていた「収容桟橋」、上陸した後の検査や手続きを行った「回春寮」、逃走など規則違反をした収容者を監修した「監房」の外壁、歌人「明石海人」らが暮らしていた「目白寮跡」、故郷に帰れない遺骨が眠る「納骨堂」を巡る。
現在、入所者数は152人。平均年齢は85歳以上。入所者からもこの歴史を残してほしいという要望から、世界遺産登録に向けて準備をしている。同館の学芸員・田村朋久さんは「自分には関係ないと思っている人に知ってほしい。差別を受けた人たちが怯えていたのは、そんな人たちが作り出す社会の目。差別に関心を持ってもらえたら」と参加を呼び掛ける。
5月11日・25日、6月8日・29日、7月20日、8月31日、9月21日の全7回。12時20分に日生駅前桟橋に集合し、同場所で16時40分解散(予定)。