ファン発信型クラウドファンディング「はろとくわ」が5月1日、サービスを始めた。
新型コロナウイルスの感染拡大により飲食店など、経営が厳しい店が増えている。同サービスは、店主が自ら行うクラウドファンディングではなく、店の客(ファン)が推薦者(キュレーター)となり、店の紹介を行う。支援は、「寄付」もしくはテークアウトなどの商品購入する仕組み。掲載や寄付の手数料など一切を無料として運営している。
運営する一般社団法人「はろとくわ」(大阪市北区)のマーケティング責任者CMOを務める久保駿貴さんは、岡山大学の4年生。久保さんは、訪日外国人向けに、ガイドブックに載っていないようなローカルな場所を学生が案内するツアーサービス「GUIBO(ガイボ)」を立ち上げ、今年3月からスタートさせる予定だった。現在の状況下で、店の金銭面だけでなくて精神的な支援もできるプラットフォームを作れないかと相談を受け、ガイボのメンバー数人と、約15日間で同サービスを作ったという。
久保さんは「店主が自らクラウドファンディングをやるスキルや精神的な負担を、常連客やファンが代わりに行うことで、寄付や応援メッセージが集まる仕組みを作りたかった。何より常連客やファンが何よりも店の財産になる」と話す。サービス名の「はろとくわ」は、気前よく他人におごる時に言う「ここは私が払いますよ」の関西弁。関西圏出身のメンバーが多いことから、お金だけではない温かみのあるサービスを意識して名付けた。
これまでの登録店は、大阪、京都、愛知、岡山の飲食店、美容室、ライブハウス、バー、ヨガスタジオなど45店以上。「関大前商店街応援プロジェクト」(大阪府吹田市)ではコンビニエンスストア「セブンイレブン」、北新地のラウンジ「Aka Saka」(大阪市北区堂島1)や3万円分の本マグロを買えるマグロとセイロ蒸し料理「勝浦」(和歌山県和歌山市)なども掲載されている。岡山県内の登録店は、地元歌手ユニット「まゆみゆ」が運営するレストラン「ミュージックキッチンGR8」の1軒のみ。
「コロナウイルス以前によく行った行きつけの店などをどんどん推薦してほしい。大学周辺の飲食店は、大学が休校になることで厳しい状況となっているはず。岡山のお店も今後増えてほしい」とも。