2025年9月16日(火)~23日(火・祝)に、喜界島~大阪へ"サンゴ礁を旅する洋上大学"プロジェクト「サンゴの方舟ー海の未来を繋ぐ洋上大学ー」を実施いたします。
科学・アート・教育を融合した実践型プログラムとして、参加者は「帆船BLUE OCEANみらいへ」に乗船し、海洋環境の調査や文化・芸術交流などを通して、海とわたしたちの未来を多角的に考える約一週間の航海を行います。
航海の途中で立ち寄る寄港地では、交流イベントやサンゴ礁調査などを通じて、土地ごとの文化や海との関わりを体感し、海と生きる喜(よろこび)を共有し合います。
航路・スケジュール
航路のコンセプトは「南の海で生まれたサンゴの命の旅を辿る」。
2025年9月16日、鹿児島県・喜界島を出港し、屋久島(9月18日)、高知県・土佐清水市あしずり港(9月20日)、瀬戸内海の岡山県犬島(9月22日)を経由し、大阪・天保山港(9月23日)へ到着します。
このルートは、サンゴの分布と黒潮の流れを象徴しており、生態学的にも文化的にも大きな意味を持った寄港地構成となっています。
出発地である喜界島では、9月14日(日)に住民に向けた乗船体験イベントや船の出航を祝う音楽ライブなどの開催を予定しています。
また、各寄港地でも地域団体のご協力のもと、喜界島と各寄港地の伝統的な音楽や踊りの交流、帆船乗船体験、サンゴ礁調査などを実施し、島々や沿岸地域の魅力発信にもつなげます。
サンゴが生まれてから旅をする海を辿ることにより、実際の生命が渡る海の環境を身体的な感覚と科学的なデータで捉えるとともに、港でのヒトや文化との出会いを通じて流れ着いた先でのコミュニティの形成を考え、共有することを目指します。
航海スケジュール
9月14日(日) 14:00~16:30乗船体験イベント/17:00~19:00船上ライブ@喜界島 早町港
9月16日(火) 喜界島 出航
9月18日(木) 屋久島着 10:00~12:00乗船体験/11:30~12:30文化交流イベント 実施
9月20日(土) 高知県・あしずり港着 13:30~サンゴ礁レクチャー/14:15文化交流イベント/15:00`17:00乗船体験/サンゴ礁調査 実施
9月22日(日) 11:00~18:00犬島のアートをめぐるツアー実施
9月23日(月・祝) 10:00大阪・天保山入港/船上パーティー・報告会
※天候や乗船者の体調等により、若干の変更の可能性がございます。
研究者・アーティスト・学生らが共に航海
本航海には、全国から集まった研究者・アーティスト・学生ら約30名が参加します。
異なる専門性とバックグラウンドを持つ参加者が同じ船の上で時間と経験を共有することで、新たな視点での発見や世代や地域を超えたネットワークの形成を目指します。
科学:音響生態学、海水準変動、環境DNAなど、各分野の研究者が乗船し、海洋環境調査を実施します。
乗船研究者:主席:渡邊剛(サンゴ礁地球環境学)、次席:山崎敦子(サンゴ礁物質循環学)、Evan James Gowan(海水準変動)、小川真由(音響生態学)、Zoe Moula(メンタルヘルス)
アート:キュレーター長谷川祐子氏のもと、世界的に活躍するアーティストが乗船し、海の現状を観察、創作活動へと反映します。
乗船アーティスト:アーティスト:八木夕菜(美術家)、立石従寛(美術家・音楽家)、宮尾昇陽(映像作家)、菅谷真理恵(パフォーマー)
次世代:公募等により集まった大学生/大学院生が乗船し、研究者やアーティストとともにプログラムを体験します。
地域:喜界島を代表する数名が乗船し、喜界島の唄や踊り、脈々と受け継がれてきた文化を発信します。また、寄港地での交流を通じて、地域と地域をつなぐ新たな循環を構築します。
帆船BLUE OCEAN みらいへ
画像提供:ゼリ・ジャパン
ゼリ・ジャパンが所有する、「帆船 BLUE OCEAN みらいへ」は一般の方が自由に乗船できる日本で唯一の大型帆船です。3本マストのトップスルスクーナーで、船型は全通平甲板型。帆装は横帆3枚(約215平方メートル )、縦帆10枚(約568平方メートル )、総帆13枚(約783平方メートル )で、メインマストの高さは上甲板上約30m。全長52.16m。
約30名の宿泊が可能で、セイルトレーニングや海洋環境学習、環境調査船としての設備が整っています。
セイル(帆)を新しく作り直し、船内のメンテナンスも終えたばかりのため、綺麗な船内で快適に生活することができます。
現在2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のスペシャルサポーターに就任しています。
洋上大学への第一歩としての「サンゴの方舟」
私たち「喜界島サンゴ礁科学研究所」は本年、設立10周年を迎えました。
これまで喜界島を拠点に、地域の方々、研究者、こどもたち、アーティストなど多様な人々と共に、サンゴ礁を起点とした学びと創造の場を育んできました。
この節目の年に実施する「サンゴの方舟」プロジェクトは、単発のイベントではなく、私たちのこれからの未来に向けた新たな一歩です。
海の上を旅する“学びの場”としての帆船を、将来的には本格的な「洋上大学」へと発展させ、2050年までの設立を目指しています。
喜界島サンゴ礁科学研究所
私たちはサンゴ礁が作り上げた奇跡の島・喜界島でサンゴ礁と地球環境変動の関係を明らかにするために研究を行っています。「100年後に残す」を理念に、喜界島から最先端の研究・教育を世界に発信し、次世代のグローバルリーダーを喜界島で育てることを目的に活動しています。世界でも類い稀なるサンゴの島として、喜界島での暮らしから人とサンゴ礁の共生を模索し、皆さんと一緒に世界に向けて発信していきます。
■共催:喜界島サンゴ礁科学研究所/総合地球環境学研究所/北海道大学/名古屋大学サンゴ礁地球環境学研究室
■協賛:喜界町
■支援:公益財団法人 かぎん文化財団・サンクスラボ・株式会社ジオアクト・園田モータース・喜界レンタカーサービス
クラウドファンディングご支援者のみなさま
■後援:屋久島町/ 奄美市 / 瀬戸内町 / 龍郷町 / 与論町教育委員会 / 伊仙町
■協力:NTTドコモビジネス / 土佐清水ジオパーク推進協議会 / 屋久島学ソサエティ / JAMSTEC / OIST / みしま海運株式会社