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中高生向け「瀬戸内スタディーツアー」 犬島・直島・豊島の3コースで

福武教育文化振興財団の和田広子さん

福武教育文化振興財団の和田広子さん

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 中学生・高校生向け「瀬戸内スタディーツアー2024」が7月29日、犬島(岡山市東区犬島)コースからスタートする。主催は福武教育文化振興財団(北区広瀬町1)。

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 同プログラムは2022年、高校生・大学生・社会人向けに瀬戸内海の島を巡り、アートに触れる体験プログラムとしてスタート。昨年から中高生向けに変更した。今回から、事前の学習や振り返りの時間を設けず、島とアートを楽しむことを重視した。当日は、瀬戸内国際芸術祭の期間中以外も活動するNPO法人「瀬戸内こえびネットワーク」がガイドする。

 コースは3つ。7月29日に開催する「犬島コース」は、銅製錬所を保存・再生した犬島製錬所美術館の見学、くらしの植物園でのワークショップなど「循環型社会を体験する旅」。同館は機械式の空調を使わず、季節や昼夜に合わせて館内に送る空気量を調整することで空調を行っている。くらしの植物園では、ハーブを摘んでハーブティーを飲むなど、「食」「香り」「学び」「遊び」などを体感するという。

 8月8日開催の「直島コース」は、ベネッセハウスミュージアムで対話型鑑賞を行うほか、安藤忠雄さんの建築やジェームス・タレルさんなどのアートの点在する本村エリアの散策などを通じて自己理解を深め多様性に気付く「内生する旅」。ファシリテーターと共に、アート作品を前に見る・考える・話す・聞くという他者との対話を元にした鑑賞プログラムを体験する。「新たな気付きや発見を自分の中から見出す一日になる」という。

 8月22日に開催の「豊島コース」は、1975(昭和50)年に産業廃棄物の不法投棄事件のあった処分地を巡り島の歴史を知るほか、アーティスト・内藤礼さんと建築家・西沢立衛さんが手がけた豊島美術館を訪れる「島の歴史をみつめる旅」。処分地では「ごみの島」と呼ばれた過去の事実と長い時間軸で瀬戸内を考え、豊島美術館では水滴のような形状で柱のないシェル構造の空間を「五感で体感する」プログラムになる。

 同財団の和田広子さんは「3日間とも、ゆとりのあるスケジュールにして隙間を設けた。行き帰りの船から、海、島、太陽、風、匂い、音、全てを体で感じてほしい。島にまだ訪れたことのない人に、新しい世界を体感しに来てほしい」と呼びかける。

 いずれも集合時間は9時20分(宇野港)、解散は16時30分を予定。定員は各回20人。参加無料(昼食付き)。申し込みは6月30日まで。

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