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岡山でコンテンポラリーダンス「浦人」上演へ 能「藤戸」をモチーフに

演出・振付・出演の稲尾芳文さん

演出・振付・出演の稲尾芳文さん

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 コンテンポラリーダンス公演「Dance Performance 2024 浦人(うらびと)」が8月4日、能楽堂ホールtenjin9(岡山市北区天神町)で開かれる。主催は岡山県現代舞踊連盟。

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 同連盟は2002(平成14)年に発足。勉強会やワークショップ、岡山大学津島キャンパス内にあるJテラスカフェで「銀河の流れ」をテーマにしたダンスパフォーマンスなど、現代舞踊の普及と向上を図ってきた。

 同公演の演出・振り付けを手がけ、出演する稲尾芳文さんはイスラエルのアブダビに拠点を置くバットシェバ舞踊団の元芸術監督で、現在はノルウェー国立バレエ団バレエマスター。20年以上前から同連盟のワークショップの講師などを務めてきた。県内で稲尾さんが舞台に立つのは今回が初めて。

 上演作品は、能の演目にもなっている謡曲「藤戸」がモチーフ。「平家物語」に収められた倉敷市藤戸を舞台とした合戦で、源氏の武将の佐々木盛綱が陸に渡るための浅瀬を漁師に尋ねるが、答えた漁師を口封じのため殺してしまう。漁師の母は恨みを訴え、漁師は亡霊として現れる。供養をすることで亡霊は海に消えていく。

 出演は、同連盟会員の太田一枝さん、岡本悦子さん、KAZUMIさん、道満智子さん、本羽恵子さんのほか、ワークショップのオーディションで選ばれた大内盛子さん、佐藤恵美さん、田中悦子さん、万代祐梨子さん、目澤美和さん。

 稲尾さんは「能とコンテンポラリーダンスでは表現の手法が違うため、能のストーリーの前のエピソードを加えるなど、理解の手助けになるよう努めた。どの登場人物も何かに苦しんでいる。それぞれ立場が違えど、苦しんでいる人々に何が必要なのかを考えさせられた。藤戸のストーリーを理解したい人も、ストーリーとは関係なくダンスの持つインパクトを受けたい人にも見てもらえれば」と話す。

 同連盟の道満智子さんは「戦いの陰で理不尽に失われる命とそこに関わる人の救済を伝える物語。現代でも戦争などの問題と重なる部分がある。能としての藤戸は威厳がある。コンテンポラリーダンスでも引けを取らないよう表現したい」と話す。

 上演時間は12時30分~13時40分、15時30分~16時40分。料金は、当日=4,000円。前売り=3,500円、ペアチケット=7,000円(前売り6,000円)。

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