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岡山のラーメン店「一照庵」、学生コンテストで優勝したつけ麺を限定提供

「〆まで美味(おい)しい鯛(たい)茶つけ麺」を持つ一照庵のスタッフ

「〆まで美味(おい)しい鯛(たい)茶つけ麺」を持つ一照庵のスタッフ

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 ラーメン店「麺酒 一照庵岡山本店」(岡山市北区中山下1)で2月2日~4日、専門学校岡山ビジネスカレッジ(OBC)の生徒によるラーメンコンテストで優勝したラーメン「〆まで美味(おい)しい鯛(たい)茶つけ麺」を提供した。

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 店主の大野浩史さんが特別講師を務めるOBCでは昨年12月、調理師養成学科の生徒によるラーメンコンテストを開催。4チームがラーメンのプレゼンテーションを行い、基本行動、見た目、味・香りの4項目で審査した。優勝したメニューを大野さんが、ラーメンの味だけでなく、店舗でのオペレーション、原価計算などを考慮して改良し、月に1度開催する特別メニューだけの日「裏一照庵」で提供した。

 大野さんは、薄口しょうゆと塩で味付けされた和食をベースとしたつけ汁に「味の厚みを出すことを試みた」という。「シジミ、ハマグリ、アサリの貝ダシと昆布、ウルメ、煮干し、カツオの乾物からのだしなどを入れたしょうゆダレを使ってラーメンらしさを出した」とも。より麺に絡むように、生徒が考えたバターをそのまま入れず、バターに小麦粉を混ぜて乳化させホワイトソースを作り濃厚さを作ったほか、太白ゴマ油を浮かせて「おいしさを演出」した。

 生徒が考案した鶏の利休焼きは「冷めてもおいしい」と言い、他のメニューでも使うレアチャーシューを使うことで、円滑にオペレーションすることを選んだ。試作会前日には、つけ汁に入れていた練りゴマをやめ、一緒に提供するご飯にゴマを振りかけることに変更した。つけ汁にゴマが入ることで、タイの風味より強くなることから、「全体としてタイもゴマの風味も楽しめるようにと設計し直したこと、ゴマの量が減ったことから減価率を下げることにもなった」という。

 試食会では好評だったが、提供する2日前にタイの風味をもっと出すため、だしを取る方法を変更した。タイを煮る前にアラから内臓など取り、熱湯に入れて生臭さをなくす工程をなくし、雑味やクセをあえて残すようにした。結果、高温で白湯にすることもあり、強いクセを出すことはできなかったが、最大限にタイの風味を増せたという。

 大野さんは「1カ月でより良いレシピに仕上げるだけでなく、仕入れ先や仕込みやすさ、再現性などを追求した。生徒たちにできないことは教えられないので、私も学ぶべきことが多い。来年もコンテストを行うなら、他の店にもレシピを公開して、ブラッシュアップした料理を提供してもらい、生徒から始まる料理の縁がつながると岡山全体が面白くなる」と期待する。

 同店では3日間で約450杯を提供した。

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