岡山市北区野殿地区で10月26日、ダルマガエル保全プロジェクト主催の「ダルマガエル引っ越し作戦」が行われる。
ダルマガエルとは手足が短く、ずんぐりとした体形から「ダルマガエル」と呼ばれるカエルの一種。中でも愛知から広島にかけて生息するものを「ナゴヤダルマガエル」と呼び、さらに岡山に生息するものを「岡山種族」と呼んで区別する。
姿はトノサマガエルに似ているが、のんびりした性格で動きが鈍いのが特徴。乾燥を嫌い、移動範囲は狭くジャンプ力も低いため、コンクリート化された用水路に落ちると自力ではい上がることができないなど、現代の急激な環境変化への適応能力が低く、環境省と岡山県から絶滅危惧種に指定されているという。
同プロジェクトは2006年から、大型店舗の建設など開発の相次ぐ岡山市北区大野地区で保護活動を開始。開発に関係する事業者や地域の住民、自然保護団体、研究者、岡山市などが連携して行っている。前回は今年6月に保護田んぼへの田植えと共に生息数のモニタリングを行い、今回はカエルの冬眠前の引っ越し作業と稲刈りを行う予定。
プロジェクトメンバーの山本幸(みゆき)さん(35)は「昔は岡山全域に生息していたダルマガエルのことをまず知ってほしい。田んぼと共に生きる生物を守ることは、自分たちの主食である米を守り、生活を守ることにつながる。そんな意識を持つきっかけになれば」と語る。当日は帽子、長靴、動きやすい服装と、小型のくま手、網、タオルなどの持参を呼び掛ける。
参加費、事前申し込みは不要。集合場所は野殿西町の「岡山市西消防署」南側駐車場。開催時間は、受付=9時30分~、午前の部=10時~12時ころ(稲刈りと引っ越し作業)、午後の部=13時~15時ころ(引っ越し作業のみ)。少雨決行(大雨の場合は11月3日に延期)。問い合わせは同プロジェクト事務局担当者(TEL 090-7543-7396)まで。