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岡山のしめ縄作家が「ヨゲンノトリ」を制作 災害から復活した稲とデニム使い

しめ縄作品「ヨゲンノトリ」を制作した山川有美子さん

しめ縄作品「ヨゲンノトリ」を制作した山川有美子さん

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 作家・山川有美子さんが「ヨゲンノトリ」をモチーフにしたしめ縄作品「一年招福・ヨゲンノトリ」を7月7日、発売した。

しめ縄作品「一年招福・ヨゲンノトリ」

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 「ヨゲンノトリ」は、山梨県立美術館に所蔵の「暴瀉(ぼうしゃ)病流行日記」に登場する黒と白の二つの頭を持つトリ。日記は、1858年に市川村の喜左衛門が記したもの。前年の12月に現れた「ヨゲンノトリ」は、翌8月・9月に9割の人が亡くなるような難があり、朝夕仰ぎ、信心すれば難を逃れると伝えたという。実際に、長崎で発生したコレラが、同年7月には江戸、甲斐国にも感染が拡大し、1日に30~40人が亡くなったといわれている。

 6月30日に、藤田神社(岡山市南区藤田)で、先行で制作された30点を祈祷(きとう)した。当日は、半年間の穢(けが)れを払い、残り半年の無病息災を願う「夏越(なごし)の祓(はらえ)」の日。全国の神社では大きな輪を8の字などにくぐる「茅の輪くぐり」を催すところも多い。

 作品には、平成30年7月豪雨で被災した岡山市東区の水田から復活した稲を芯に使っている。山川さんは「しめ飾りと児島デニムを使った岡山ブランド『晴れの国の結びの工芸・ハレ結』として、発信していきたい」と話す。

 山川さんは高校時代、和裁を選考していた経験もあり、結び工芸を独学で始めた。2014(平成26)年、招き猫美術館(岡山市北区金山)にマクラメ作品を出展。2016(平成28)年からしめ縄アートを始め、2018(平成30)年にデニムを使い、岡山後楽園の「タンチョウ」をイメージした作品を販売。坂本織物(倉敷市児島唐琴3)の真田紐や丸清織物(同)の畳縁(たたみべり)を使った「伊勢海老」、160センチの鳳凰(ほうおう)も制作したことがある。

 山川さんは「一年中飾ってもらえる作品として、丁寧に一つずつ作っていく。結びの工芸を日本のアートとして、海外にも出展していきたい」とも。今年6月に仏パリのギャラリー・ジョセフ・ミニムに出展する予定となっていた。

 作品は「YUI SPACE」のウェブページから購入できる。価格は2,750円。

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