吉備土手下麦酒醸造所(岡山市北区北方4)を含む13のマイクロブルワリー(小規模ビール醸造所)が現在、共同プロジェクトを行っている。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、春以降のイベントは中止となり売り上げを大きく落としたという。各ブルワリーが開業する際、吉備土手下麦酒と関わりがあったことから声掛けをした。クラウドファンディングを使い共同で販売することで、販路拡大を狙う。
吉備土手下麦酒醸造所の永原康史さんは「開業したばかりのブルワリーや、マルシェなど小規模販売とオンライン販売の販路が少ないブルワリーが共同で販売することで、いろんなビールに出合ってもらいたい。新型コロナウイルスの収束が感じられるようになったらビアフェスの開催、コロナ収束記念ビールの発売を企画している」と話す。
岡山県内からは吉備土手下麦酒醸造所のほか2つのブルワリーが参加している。グループホーム事業や障がい者支援事業を行うNPO法人「マインドこころ」が行う「真備竹林麦酒醸造所」(倉敷市真備町)は、平成30年7月豪雨の被害を乗り越え、「やた」「たけ」「ささ」のビールを販売する。笠岡諸島にある人口60人の島「六島」で、地域で採れるヒジキやキンカン、カキなどを使ったビールを造る「六島浜醸造所」(笠岡市六島)は、6種のビールを販売する。
このほかに、香川県の「福繁食品」(東かがわ市)、「まめまめびーる」(小豆郡小豆島)、兵庫県の「IN THA DOOR BREWING(インザドアブルーイング)」(神戸市中央区)、「明石麦酒工房・時」(明石市)、「マイルストーンブルーイング」(加古川市)、広島県の「備後福山ブルーイングカレッジ」(福山市)、徳島県の「awa新町川ブリュワリー」(徳島市)、奈良県の「なら麦酒ならまち醸造所」(奈良市)、和歌山県の「ブルーウッドブリュワリー」(有田郡有田川町)、東京都で醸造所併設レストランを運営する「ビール工房」(東京都杉並区高円寺北2)がビールを販売する。
3,000円から100万円まで、30種類以上のコースを用意している。ビールの購入だけでなく、醸造体験ができるコースを「まめまめびーる」など4ブルワリーで提供する。「awa新町川ブリュワリー」はオリジナルビール600本を製造してくれるコースを、「吉備土手下麦酒」は備前焼作家の伊勢崎創さんとビアマグを造る作陶体験コースと、50人限定のプライベートビアフェス開催コースを用意している。
「ビールは、スタイルや原料・水・醸造樽、地域の特産や風土を、生産者のおいしいを具現化したもの。同じ原料を使っても同じビールはできない。オリジナルのビールを、冬の鍋シーズンなど家の飲みに合わせて楽しんでほしい。まだいつ開催できるか分からないが、ビアフェスを楽しんでもらえる日まで、力を合わせて頑張りたい」とも。
クラウドファンディングは10月31日まで。