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岡山県・人口900人の新庄村でコミュニティー通貨「もちん」 地域で経済循環を

新庄村役場の千葉智明さん

新庄村役場の千葉智明さん

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 コミュニティー通貨「もちん」が3月24日、新庄村でサービスを開始した。

コミュニティー通貨「もちん」のコインを取得できる道の駅「がいぜんさくら新庄宿」

 岡山県北部、鳥取県との県境に位置する新庄村は、人口約900人。岡山県内で最も人口が少ない。これまでに、全世帯で光回線が使えるための整備や下水道の普及などインフラ整備を行ってきた。新型コロナウイルスの感染拡大の予防策として、消毒液を一人1本、職員が約350世帯に配った。

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 同サービスは、カヤック(神奈川県鎌倉市)が作る「まちのコイン」を使ったスマートフォン用アプリで、同様のサービスが鳥取県智頭町や長野県上田市など8地域でも導入されている。

 現在、村内の19カ所で利用できる。新庄村役場や道の駅「がいせんざくら新庄宿」などでコインをもらえるほか、新庄宿「須貝邸」では窓拭きをするとコインをもらえる。取得したコインを使って、各店でサービスを受けることができる。新庄村役場の千葉智明さんは「通常の商品はコインでは買えず、各店が提供できる特別な商品やサービスをコインで交換できる。経済の循環はさせながら、各店が創意工夫をする。コインのやり取りから村内外の人との交流をつくるきっかけとなる」と話す。

 千葉さんは、2017(平成29)年に藤山浩(こう)さんの講演で地域内循環について学び、飛騨高山の電子地域通貨「さるぼぼコイン」を提供するフィノバレー(東京都港区)からITを使った取り組みを知り、同村でできることを試行錯誤していた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、村外に向けて商品を提供した業者は販路を断られたという相談を受け、同サービスを検討することになった。

 新庄村では、過去5年間の転入者は約130人。人口の約14%に当たる。同サービスを利用できる「水路珈琲」はIターンの移住者が経営している。「私自身が村外から引っ越してきた経験があり、扉を開けづらい店もあった。『村民一家族の村』をスローガンにした同村では、村のどの人の顔もわかるくらいの親密になる。転入者や村外の人には、同サービスが敷居を下げる役割となる」とも。

 新庄村は、65歳以上の人口が約40%を占める。千葉さんが、体操教室など人のいる場所に出向いて説明をしているという。現在、登録者数が約110人で、25%は村外の人。「関係人口、交流人口が増えてくれることも願っている。新庄村の人口900人くらいを目標にしている」とも。

 「もちん」のネーミングは、新庄中学校の全校生徒約20人の案から選ばれた。「きもちをつないでにぎわうふるさとに」をキャッチフレーズにし、きもちの「もち」・新庄村の特産品「ひめのもち」の「もち」と「コイン」を掛け合わせて、「もちん」となった。

 同サービスにはSDGsの17の目標設定もしてあり、コインを使うことで取り組みとなり、可視化される仕組みとなっている。

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