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岡山の井原鉄道「アート列車」が完成 大原美術館の絵画43点でラッピング

井原鉄道の井原駅長・鳥越肇さん

井原鉄道の井原駅長・鳥越肇さん

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 大原美術館(倉敷市)の所蔵する絵画デザインでラッピングした井原鉄道「アート列車」が9月22日、新たなに遮光カーテンを車内に設置され完成版となった。

大原美術館(倉敷市)の所蔵する絵画デザインでラッピングした井原鉄道「アート列車」1

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 井原鉄道は、総社駅(総社市)から神辺駅(広島県福山市)の全長41.7キロ、15駅間を約1時間で列車が走る。今年3月、大原美術館と共同企画し、クラウドファンディングで集めた支援金で「アート列車」を製作した。現在は、1日2往復を運転している。

 アート列車は、津山市在住の現代美術家・太田三郎さんがデザインした。全体は額縁をイメージした金色に塗装し、各絵画は切手をモチーフにデザインしている。当初は外装だけの変更を予定していた。クラウドファンディングで目標金額250万円を上回り、721万円の支援金が集まったことから、内装や遮光カーテンにも絵画を使ったラッピングを行うことにした。

 外装は、クロード・モネの「睡蓮」、エドヴァルト・ムンクの「マドンナ」、エル・グレコの「受胎告知」、ポール・ゴーギャンの「かぐわしき大地」など11点。内装は岸田劉生の「童女舞姿」、国吉康雄の「跳び上がろうとする頭のない馬」、エドガー・ドガの「赤い衣装をつけた三人の踊り子」など31点を使う。

 今回、新たに設置した遮光カーテンは、児島虎次郎の「春の光」、ポール・セザンヌの「風景」、エドゥアール・マネの「薄布のある帽子の女」など12点を使う。車両1台に43点の絵画を配置した。

 車両IRT-355-09を金色に塗装し、窓枠部分を額縁に見立てている。絵画には細かな穴が空いているため、車内から社外の風景を望むことができる。井原鉄道井原駅長の鳥越肇さんは「同車両はロングシートに入れ替え、社内の空間を広くすることで絵画を楽しみやすくした。客同士の距離をたもてるように配慮した」と話す。

 同列車は、「運び」「つなぐ」をコンセプトにしている。数年前から井原鉄道と大原美術館でコラボ企画を話し合っていたが、新型コロナウイルス感染拡大により観光客が減ったタイミングで、クラウドファンディングで支援者を募集した。

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